Lティ「皆さん…」 諏訪子「おっと、お礼なんか良いんだよ。困ったときはお互い様でしょ」 Lティ「……はいっ!(…幽々子さん…もう少しだけお待ち下さい。必ず助けに行きますからね!)」 霊夢「それはそうと…あなたたち店番は?」 諏訪子・早苗・ナズーリン「……あっ!」 稔子「おねえちゃん…おなかすいたね…」 静葉「ちょっと!どうなってるのよこの店は!!ウチの妹を餓死させる気!!!?」 某月某日 天気 晴れ 午前08:20 天子「いやあ、衣玖ならきっと付き合ってくれると信じてたわ!」 衣玖「………」 天子「何むくれてるのよ?」 衣玖「別に……怒ってなんかいませんよ!」 天子「素直じゃないわねえ。実は楽しみにしてたんでしょ?」 衣玖「だからそんなんじゃなくて…て、天子キャスターが変なことしないよう見張りです、見張り!」 天子「はいはい、そういう事にしておくわ」 衣玖「全くもう…それより、何時になったら着くんですか?」 天子「まだまだ大分かかるわよ。なんたって超が付くほどのド田舎だから」 衣玖「そんなに遠くでしたっけ?」 天子「ほら、あの山々を越えた先のさらにそのずーっと先。このまま飛んでざっと半日って所かしら」 衣玖「ええーそんなにかかるんですか?」 天子「まあ、のんびり行きましょうよ」 衣玖「もっとスピード出ないんですか?」 天子「重量オーバーよなのよ。しょうがないわね…ほら」 衣玖「きゃん!」 天子「それでも読んでるといいわ」 衣玖「こ、この本は…?」 天子「実はね、私が新聞に連載していたエッセイが本になったのよ。 これがまた売れに売れて、おかげさまで何と幻想郷中で200部の大ベストセラーになってるのよ!」 衣玖「へえ、そうなんですか…全ッ然知りませんでしたよー」 天子「まあ、衣玖みたいなボインボインには縁の無い本よね、あは、あはは…」 衣玖「あ、この本枕に丁度良い。着いたら教えてくださいね」 場面は変わって、ここはとある森の中… ウドンゲ「あ、あれ?また同じところに出た?」 レイセン「いえ、ここは初めてのはず…」 ウドンゲ「なんか同じような景色ばっかりで迷いそう…」 レイセン「というか私達完全に迷子ですよね?」 ウドンゲ「しっかりしてよ…本当にこっちの方で大丈夫なの?」 レイセン「はい…確かにコチラの方から波動を感じます…」 ウドンゲ「わっ!?わーーーっ!!」 レイセン「え?え?えっ?ななな何ですか!?」 ウドンゲ「ひっひっ、ヒル!帽子!乗ってる!」 レイセン「いややややや!やだー!取れた!?取れた!?」 ウドンゲ「取れた!こ、ここは危険だよ!早く出口を探さないと!」 レイセン「あっ!見てください!!」 ウドンゲ「あちらが明るい!もしかして出口!?」 レイセン「い、行ってみましょう!」 ウドンゲ「こ、ここは…」 レイセン「…なんか拍子抜けるぐらいのどかな場所に出ましたね」 ウドンゲ「というかさっきの森がおかしかっただけなんだけどね…」 ウドンゲ「まあいいや、これで一息つけるね」 レイセン「はあ…疲れた」 ウドンゲ「それにしても、どこなんだろう此処?」 レイセン「田んぼに畑に…随分田舎みたいですね」 ウドンゲ「う〜ん…私もあんまり里と竹林以外行かないからなあ」 ?「あ〜〜〜!こりぁッ!!」 レイセン「うわっぶッ!?」 第一村人「なんだっぺさ?おんめえさんらは!」 レイセン「ゲホッ、ゲホッ…」 第一村人「さってはおらが畑さ荒らしに来ただな!」 ウドンゲ「ち、違いますよ!私達はただ迷い込んだだけなんです!」 第一村人「はぁ、そうだっぺか?ほんに、あやすいこってのう」 レイセン「どうやらこの辺りの住人の様ですね…」 ウドンゲ「そうだ、それならこの人に聞いてみよっか」 レイセン「そうですね。最悪でもここが何処だかはわかるでしょうし」 ウドンゲ「あ、あの〜。ちょっとお尋ねしたいんですが…私達人を探しているんですけど」 第一村人「あんだって?ひとさがスか」 ウドンゲ「ええ、女性なんですけどここ2〜3日で余所の人を見かけませんでしたか?」 第一村人「2〜3日ってか?そっだな、人は見かけてねえが変わったことならあったずらよ」 ウドンゲ「変わった事…ですか?」 第一村人「んだ。あれは何日か前の晩の事だ。 空からでっけえ隕石が山の向こうさ落っこって来るのを、おらあたすかに見ただ!」 レイセン「(私達の乗って来たやつだ…)」 第一村人「そっだ事さあったもんだから、つんぎの朝しんぺえになって畑さ見に来たら… ほれ、この通りだ。畑に田んぼに、あとそっこらじゅうの果物さあちこち食い荒らされてもうとっただよ!」 第一村人「特にこれ、せっかく実が生った桃なんかひっとつも残っとりゃあせん… ほんに参っただよ…犯人さ見つけたらとっちめてやらせんとな!」 ウドンゲ「ヒソヒソ…(こ、これってもしかして…?)」 レイセン「ヒソヒソヒソ…(ええ、恐らく当たりだと思います…)」 ウドンゲ「た、大変でしたね…それで何か分かったんですか?」 第一村人「いんや…わすは分からねが村のもんなら何か知っとるかもしれんのお」 レイセン「村…があるんですか?」 第一村人「ほれ、あすこに見えとるのがM村じゃ。あっちで聞けばおめえさんらの探スびとも見つかるかもしれんの」 ウドンゲ「そ、それじゃあ行ってみようかなー」 第一村人「それがええ、それがええ」 レイセン「どうもご丁寧に、ありがとうございましたー」 第一村人「達者でのー」 第一村人「……ふぅ、コレで良し、と。 しっかし何で私が年寄りの役なんかを…」 ?「あら、何かご不満でも?」 第一村人「あ、紫様!?一体何時からそこに…」 紫「藍、どうかしら?この完璧なカモフラージュ。全然気付かなかったでしょう?」 藍「…それでは一部始終御覧になられていたのですね」 紫「ええそうよ。それにしても順調の様ね」 藍「はい、今のところは。それより…その格好何とかなりませんか?」 紫「え?これがどうかしたの?」 藍「…いえ、何でもありません」 さてこちらは紅魔館。 アリスの支配に抗う数少ない勢力の一つである。 そして今まさに、行方不明の主が戻らぬままの館に魔の手が迫ろうとしていたのだった… パチュリー「あの娘…今日こそ食べてくれたかしら?心配ね…」 小悪魔「妹様がオヤツを抜きにされて随分立ちますからねえ」 パチュリー「ねえ、あの何とかって娘に任せておいて大丈夫なの?」 小悪魔「う〜ん、仲は悪くないみたいですけど…まあしばらく様子を見ましょう」 パチュリー「…そうね。どうせ今の私達には何も出来ないんだからね…」 ???「妹さん?オヤツの時間ですよー」 フラン「…要らない」 ???「…そんな事いわないで、今日も美味しく出来てますよ」 フラン「…食べたくない」 ???「もう…せっかく作ったのに…」 フラン「頼んでないもん」 ???「はぁ…入りますよー」 大妖精「あー、また昼間から寝てる…駄目ですよー」 フラン「吸血鬼は昼眠るものなのよ!」 大妖精「本当わがままなお嬢様だなあ…」 大妖精「…ねえ、どうして私のお菓子食べてくれないの?」 フラン「…お姉さまが帰ったら…一緒じゃなきゃ嫌だもん…」 大妖精「そっか…大丈夫、お姉さんはきっと無事よ」 フラン「あ、あったりまえじゃない!私のお姉さまよ!」 大妖精「わわっ!?ご、ゴメンね…」 フラン「全然帰ってこないだけで、誰かに負けたとかそんなんじゃないはずなんだから!」 大妖精「ちょ、ちょっと、そんな興奮しないで!」 フラン「お姉さまは…お姉さまは幻想郷で一番なのよ…うっ、えぐっ…」 大妖精「…妹さん……」 大妖精「うふふ、お姉さん思いなんですね」 フラン「うええええん!」 大妖精「よしよ〜し、大丈夫、大丈夫だから…」 大妖精「…そう、きっと大丈夫。私と同じね…私も信じてる人が居るの…」 フラン「ひっぐ…あなたも…?」 大妖精「うん。今何処で何してるか分からないけど、きっと何処かで元気にしてるわ…」 大妖精「だから、ね。もう泣かないで」 フラン「…うんっ!」 大妖精「(署長…無事でいてください…私も…頑張り…ま…ぐ、ぐるじいいぃぃ)」 パチュリー「…はぁ」 小悪魔「どうしたんです?ため息なんかついたりして」 パチュリー「どうやらお客様がお越しの様よ…」 小悪魔「お客…ですか?」 パチュリー「ええ、それもかなりの数…とうとうこの時が来たのね…」 小悪魔「それってもしかして…」 パチュリー「レミィが居ないこの時を狙ってくるとは思っていたけど…」 小悪魔「…この地鳴りのような足音…間違いなさそうですね」 アリス「ふふ…見えてきたわね…」 アリス「うん、この辺りで良いか… よ〜し、全軍止まれーっ! コレより紅魔館攻略作戦に入る!手はずどおり各部隊陣を敷きなさい!」 小悪魔「どれどれ、外の様子を…うわぁ!」 パチュリー「どう?」 小悪魔「か、完全に囲まれてますよ…」 パチュリー「むむむ…どうやら本気のようね」 小悪魔「どどどどうしましょう!?」 アリス「さて…」 アリス「あー、あーてすてす。 えー、紅魔館の者どもにー告ぐ!今すぐ武装解除して投降しなさい! これは脅しでもなければ警告でもないわ、命令よ!」 アリス「なーに、悪いようにはしないわよー。 私とアナタの仲じゃない、うふふふふふ… 5分で返答が無ければ部隊を突入させるから、そのつもりでね。以上!」 小悪魔「あ、あんな事言ってますよ!」 |