パチュリー「こうなったら仕方が無い…詳しく説明している暇は無いから良く聞きなさい」 小悪魔「えっ?えっ?パ、パチュリーさま…?」 パチュリー「良いから聞きなさい!」 小悪魔「は、はひぃ!」 パチュリー「アリスは確かに幻想郷をその手に収めたかに見えるわよね? でも実際はそうではなくて、一部の勢力が抵抗を続けているのが現状よ。 まあ、それも時間の問題なんだろうけど…まあ、そこは置いといて…」 パチュリー「これがどういう事だか分かる?何故アリスの願いは不完全な叶い方をしたのかしら?」 小悪魔「それは…不完全な力を行使したから…でしょうか?」 パチュリー「そうね。少なくとも私はそう考えてるわ」 小悪魔「つまり我々にもまだ状況をひっくり返すチャンスがあると仰るのですね…」 パチュリー「ちょっと違うわ。今、そんなアリスが最も恐れるものは何だと思う? 自分の足元を掬うような存在が有るとすれば、それを一つ一つ丁寧に潰そうとするはずよね」 小悪魔「ハッ!?ま、まさか彼女がウチを攻めてきた理由というのは…」 パチュリー「そう、自分の築いた支配体制を“破壊”される事を防ぐ事… つまり、アリスの狙いはフラン…あの娘よ!」 小悪魔「これはまずいですよ…何とかして妹様をお守りしないと!」 パチュリー「そうよ…だからアナタにあの娘を託すわ」 小悪魔「パチュリー様…?ま、まさか!?」 パチュリー「でもこうするしか方法が無いの。このままだと程なく押し切られるのは火を見るより明らか… そうなる前にあの娘を連れて出来るだけ遠くへ逃げるのよ!」 小悪魔「そ、そんな!パチュリー様は!?」 アリス「そろそろ時間ね…よーし、檻を開きなさい!」 アリス「さあ、出ていらっしゃい…私のカワイイ下僕よ! この日の為に与えた力でヤツを仕留めるのよ!」 ???「ガオォォォン!」 パチュリー「私は…ここに残ってアリス達を引き付けておくわ」 小悪魔「あんな大軍…いくらなんでも無茶です!」 パチュリー「気遣ってくれてありがとう。でもね…どうやらもう仕掛けてきたみたいよ?」 小悪魔「…な、何でしょうこの音?」 パチュリー「さあ?私から離れないで」 小悪魔「だんだん近づいてきますよ!」 パチュリー「むっ!?どうも屋根に何か取り付いてるみたいね…!」 小悪魔「あっ!て、天井にヒビが!」 パチュリー「下がって…来るっ!」 ???「ぐわぉぅぅっ!」 小悪魔「きゃー!」 パチュリー「くっ…!?」 パチュリー「ごほっ、ごほっ…」 小悪魔「ぱ、パチュリー様!けほっ、けほっ…」 パチュリー「全く…手荒な真似してくれるじゃないの…」 パチュリー「さあ、ここは私に任せて!貴女は早く行きなさい!」 小悪魔「で、でもっ!」 パチュリー「これは命令よ。大丈夫、私も後から必ず追いつくわ」 小悪魔「わ、わっかりましたッ!!」 アリス「フフ…始めたようね… でも、残念だけどあいつじゃウチの子には勝てないわよ♪ まあどれだけ持つか、高見の見物とさせてもらいましょうか」 パチュリー「任せたわよ…上手く逃げ切って頂戴ね… さて、あなたの相手はこの私よ! と、その前にこの煙は邪魔ね…それっ!」 パチュリー「さあて、その顔拝ませて貰うわよ!」 キスメ「ガオーーーーッ!」 パチュリー「こ、こいつは確か…!」 パチュリー「つるべ落としねっ!し、しかしこれは…」 キスメ「グォゥォゥ!」 パチュリー「で、でっかいわねえ…」 パチュリー「で、でも知らなかったわ… つるべ落としがこんな大きな妖怪だったなんて…! やっぱり本だけでは分からないこともあるのね」 アリス「ふふふ…驚いてる驚いてる。 んー、冷ゃっこくて美味しい♪ でもね、パチュリー…驚くのはまだまだこれからよ!」 アリス「この遠隔操作盤でもっと面白いものを見せてあげるわ! それじゃアリス様スイッチ…あ! ぽっちっとな♪」 キスメ「グヮ!?」 パチュリー「むっ!?」 キスメ「グォォン!!」 パチュリー「こ、これは!?更に大きくなった!? いや、大きくなり続けているの!? 一体どうやって…」 パチュリー「…ッ!?」 アリス「アリス様スイッチ…あ!」 ナレーション「あしをのばす」 パチュリー「な、な…キモッ!!!」 パチュリーは精神的にダメージを受けた!! パチュリーはこのまま負けてしまうのか? 頑張れパチュリー!僕らのパチュリー! 小悪魔「はぁ、はぁ…こ、ここまで来ればもう大丈夫かな…?」 大妖精「うわあ、お屋敷が大変な事に…」 小悪魔「パチュリー様…」 フラン「ねえ、どうしてお出かけするの?パチェは一緒じゃないの?」 小悪魔「妹様…」 フラン「お屋敷燃えてるよ…ねえ、何がどうなってるの?」 小悪魔「妹様…妹様は私めが必ずや立派に育て上げて見せますぞ!」 大妖精「はぁ…(ぞ?)」 小悪魔「天国のパチュリー様、見ていてください!私、頑張ります!!」 大妖精「ええっ!あの人やられちゃったんですか!?」 小悪魔「あ、まだ分かりませんけどね」 パチュリー「…チュンッ!ふぃーっ、こんな時に誰か噂でもしてるのかしら… くしゃみ二つは…褒められた、だったかしら?」 大妖精「あの…それでこれからどうするんですか?」 小悪魔「へ?だから妹様を立派に…」 大妖精「じゃなくて、私たち行くところあるんですか?」 小悪魔「ああ!そうでした…」 大妖精「しっかりしてくださいよ、先輩」 フラン「ねえねえ、それじゃ魔理沙のお家へ遊びに行きましょうよ!」 小悪魔「そ、それはちょっと…というか遊びじゃないんですから…」 フラン「えー、魔理沙の所が良いー!」 小悪魔「(弱ったなあ…あそこもアリスの城に飲み込まれてるはずなんですよね… ヘタに今の状況を説明したら助けに行くとか言い出しそうだし…)」 フラン「ねえねえ良いでしょー?他に行くところ無いんでしょー?」 小悪魔「えっと、そのですね…」 大妖精「あっ!そうだ、あそこなら…」 小悪魔「えっ!?どこかアテがあるんですか?もうどこでもいいです、そこにしましょう!はい決まりー!」 一方、椛たちは洞窟を抜け地底にたどり着いていた。 星「もみさん!出口ですよ!!」 椛「はぁぁぁ…疲れたぁ…」 星「とうとうここまで来ましたね…!」 椛「いやぁ、洞窟に比べてまだいくらか空気が美味しい!」 星「思ったより快適な場所に出ましたね…!」 椛「あっ!見てごらんよ」 星「あれは…な、何か観光地みたいです…」 椛「もしかして観光地なのかもよ?」 星「ああっ!もみさんもみさん!大変です…!」 椛「ど、どうしたの!?」 星「あれ見てください!あの石像…私、聖の持ってる温泉ガイドで見た事あります…!」 椛「と言う事はやっぱりここは観光地ッ…!?」 椛「う〜ん、地底ってもっと恐いとこだと思ってたよ…」 星「もみさん!ツッチーちゃんと記念写真撮りましょう…!」 椛「おいおい何を言い出すんだい…私たちは遊びに来たんじゃないんだよ!」 パシャッ! 星「いやあ、ミニ雲山が居てくれて助かりました。 え?あなたも撮って欲しいんですか?いいですよ…はい、ナーズリン…!」 椛「おお〜い、こっち見てよ!」 星「どうしました?…これは観光案内板ですね…!」 椛「ほら、温泉がいっぱいだよ!それとコレ…」 星「これは…?温泉巡りのスタンプ帳じゃないですか…!!」 椛「や、やっぱり集めると何か良い事あるのかなっ!?」 星「お、落ち着いてください…まずは説明を読んでみましょう…!」 椛「どれどれ…」 星「えーっと、スタンプは赤と青の二種類があるみたいですね…!」 椛「なるほど、訪れるだけで赤、入浴で青が押してもらえるわけだね」 星「そしてコレ…やっぱり何か貰えるみたいです…!」 星「ペア浴衣…これはいいですね! 出かける時はロクな物がもらえませんでしたし、是非ともゲットしたいです… そして片方は聖に日頃の感謝を込めてプレゼントするんです…!」 椛「楽しい!お風呂セットかぁ…いいなあ… からくり仕掛けで動くオモチャなら是非とも手に入れたいところだよ… そうしたらにとりんと一緒に遊ぶんだぁ…へへへ」 星「もみさん…!」 椛「星くん…!」 星「決まりですね…!」 テーッテテッ テッテ テーテッテテーテーテッテー 椛「はい、始まりました椛と…」 星「星の…」 椛・星「温泉巡りー、パチパチパチ〜♪」 椛「というわけで、今日はここ地底の温泉街に来ています」 星「いやあ、なかなか風情がある町並みで良いですね…!」 椛「ここの街だけでも、なんと30件以上の温泉宿があるそうなんですよ!」 星「うわあ、すごいですねえ…!」 椛「そして地底と言えば…星さん、わかりますか?」 星「えっ!?あ、えっと、その…えーっと、えーっと…」 椛「ほらほら、わかりませんか?だんだんと美味しそうな臭いが近づいていてきましたよ!」 星「わぁ!これはコロッケですね!」 椛「地底といえばやっぱり、地上では滅多にお目にかかれない食材で作られたお料理でしょう!」 星「地上では掘るおイモも地底では上から生えているんですね…!」 椛「なにそれこわい」 星「えっ!?」 椛「とにかくワタクシ、一つ挑戦してみたいと思います♪」 星「あ、熱いから気をつけてください…!」 椛「それでは…いただきます!」 |