天子「やっぱり食いついてきたわね♪このいやしんぼさんめ☆」 衣玖「何々…M村主催ダンス大会出場者エントリー受付中…」 天子「毎年この時期のお祭りに開催されているそうよ」 衣玖「こ、これってお仕事として大手を振ってフィーバー出来るチャンスなのでは…!?」 天子「M村はすっごいド田舎だからねえ。怖い上司の目も届かないんじゃないかしら?」 衣玖「ゴクリ…」 天子「でも衣玖はお断りなのよね…残念だわ…」 衣玖「あ、えっ!?」 天子「あーあ、残念だわー。じゃあね衣玖。気が変わったら連絡頂戴ね☆」 衣玖「あ、あの!やっぱり私…」 天子「ばっはは〜い♪」 衣玖「い、行ってしまった…っていうか何今の挨拶…?」 衣玖「…M村のダンス大会…このチャンスを逃す手は無いわ! はっ…そういえば占いの出逢いってもしかして… こ、これはますます行かない訳にはいかないわね!」 衣玖「あっ…落ちちゃった」 天子「そうそう、忘れてたけど…」 衣玖「………ッ!」 衣玖「き…きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!」 天子「これはこれは…」 衣玖「ななななんで戻ってくるんですか!?」 天子「いやはや、さっそくですか?これは失礼しました☆」 衣玖「ち、違っ、これは…」 天子「良いのよ隠さなくても。うんうん」 衣玖「だから違うって言ってるじゃないですか!」 天子「あら、私は何とは言って無いんだけど?衣玖は何か心当たりがあるのかしら?」 衣玖「〜〜〜ッ!?で、出て行ってください!」 天子「おお、こわいこわい♪あ、撮影は来週末だからちゃんと休み入れておくのよ」 衣玖「もうっ、知りません!」 天子「はっはっはー☆それじゃあ今度こそ、バイナラ〜」 衣玖「はぁはぁ…ったくもう…! もうちょっと私みたいに空気読んで欲しいですよね… あー、早くお風呂入ってさっぱりしよっと」 衣玖「…っ!? こ、これはっ!? ば、バスルームにルージュの伝言が!」 衣玖「一体誰がこんな事を…? ハッ!?やっぱりどろぼうが!? まさか…部屋には私達が居たしここの窓はしっかり戸締りされてるわ…」 衣玖「とするとお風呂に誰か…潜んでなさそうね… とりあえずは安心ね… でも“この件”って一体何のことかしら?」 衣玖「今真っ先に思い当たるのが天子キャスターの持ってきた話よね。 だとすると私が帰る前に書いておけた彼女の仕業と考えるのが普通なんだけど… それならそもそも何で私を誘ったかって話になるわよね…」 衣玖「…ということは、犯人は私が天子キャスターの誘いを受けたのを確認した後 私達2人に気付かれないようメッセージを残し煙のように消えた、 ってますます頭がこんがらがってきたわ…」 衣玖「ふぃ〜〜〜、生き返るぅ… …ちょっと気味が悪いけど、コレだけでは幾ら考えても無駄みたいね。 一応気をつけておくとして、今はゆっくり休み…」 衣玖「…消えた!? い、今湯船に何か“居た”ような気がしたけど…き、気のせい? あー駄目だわ、やっぱり私疲れてるのよ、きっと…」 衣玖「あ、雨… 今夜は嵐になりそうね…」 その頃、アリスの居城では… 魔理沙「全く、嫌な雨だぜ そんな事はさておき… アリスのヤツもどっか出かけたみたいだし、鍵もかけたし準備オッケーだな」 魔理沙「よいしょ、よいしょ、っと 良し、外れた! 今日こそ出口が見つかると良いんだがな…」 魔理沙「しっかしアリスも霊夢並に脇が甘いねえ。 突貫で作った城だからって、こんな通路を埋め損ねるとは… ま、おかげで逃げ出せる可能性が出てきたんだけどな」 魔理沙「しかし、ここを降りるときは毎度緊張するな… 雨の日は特に湿気が酷いぜ… よっ、はっ、ほっ、よいしょぉ!」 魔理沙「ふぅ、到着っと 確か向こう側は行き止まりばっかりだったよな… 今日は逆を探索するか」 魔理沙「それにしても無駄に広いなこの城は… 通気孔なのか作業用通路だったのか知らないが、裏側でコレだからな。 アイツは一体何を考えてるんだか…」 魔理沙「何かさっきからどんどん下に向かっているような… 随分降りたはずだが、このまま行ったら地底まで繋がってたりして。 っていうかそうじゃなかったら行き止まりって事じゃないのか?それは困るぜ」 魔理沙「とにかく行ける所まで行ってみて…最悪掘るしかないかなぁ…」 桃萃香「暇ですわね」 青萃香「そうダナ…」 黒萃香「それじゃあ古今東西…」 青萃香「それはもう飽きたッテンダローガヨ!」 黒萃香「だってよぅ…」 赤萃香「此処ニ閉ジ込メラレテカラ随分経ツカラナア…」 桃萃香「せめてトランプぐらいの娯楽は与えて欲しかったですわねえ」 赤萃香「皆ハドウシテルンダロウ…?」 黒萃香「やい、黄ぃの字!さっきから一人で何してんだよう?」 赤萃香「抜ケ道デモ探シテルノ?皆デ散々探シタケド結局見ツカラナカッタジャナイカ…」 黄萃香「脚下照顧…近所合壁興味津々也…」 青萃香「おっ、何か気付いたってのかヨ?」 赤萃香「ソウイエバ隣ノ部屋ガイツノマニカ静カニナッテルネ」 桃萃香「待って!何か聞こえませんこと?」 黒萃香「…これは足音?誰か近くに居るのかよう?」 青萃香「いつも五月蝿せえから気付かなかったのカ?」 桃萃香「どうやら足音は上から聞こえるみたいですわね…」 黒萃香「あっ!て、天井に穴があいてるじゃねえかよう!」 赤萃香「上カ…ソウイエバ調ベテナカッタネ」 桃萃香「でもあんな小さな穴では私達でも通れそうにありませんわよ…」 青萃香「こんな時打ち出の小槌があればナア」 赤萃香「(今使ッタラ逆ニ大キクナルノデハ…?)」 黒萃香「と、とにかくいっぺん覗いてみるんだよう!」 青萃香「良し!皆で肩車だゼ!」 黄萃香「協心戮力!一致団結也!」 魔理沙「うわ、また分かれ道か… 結構奥まで来たからな、目印だけつけて一旦戻るか。 んっ!?何だアレは…」 魔理沙「良く見たら穴が開いてるじゃないか。 光が漏れてる上に声まで聞こえるぜ。 さっき通ったときは気付かなかったな…」 赤萃香「全然届カナイネ…」 黒萃香「しゃあねえなあ、こうなったら“アレ”しかねえんだよう…」 桃萃香「問題は誰が…と言う事ですわね」 青萃香「や、やっぱここは公平にジャンケンだナ!」 黄萃香「正々堂々真剣勝負!」 赤萃香「ソレジャ……ジャーンケーン、ポン!!」 黒萃香「あちゃー!なんてこったい!!」 青萃香「ふぅ…危なかったゼ」 黒萃香「さてはおめぇらグルだなってんだ、ちきしょうめ…ぐすん…」 青萃香「へっへっへ、それじゃ覚悟は出来たかヨ?」 赤萃香「コッチハ準備出来タヨ!」 黒萃香「うっ…、や、やっぱ止めにしねえかよう?」 桃萃香「あら、黒ちゃん。もしかして恐くなったの?」 黒萃香「も、桃の字まで…て、てやんでい!やるならさっさとやりやがれ!」 赤萃香「ソレジャイクヨー、セーノッ!」 黄萃香「乾坤一擲!」 青萃香「かっ飛べ!ミニマム!!」 飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで〜(BGM 黒萃香「んにょ〜〜っにゃろめぃ!」 魔理沙「さて、何の穴だろうか? とりあえず覗いてみるかな… っと、誰か居るみたいだから見つからないように慎重に…」 魔理沙「どれどれ… 何が見えるかな〜? み、見てはいけないものだったらどうしよう…ドキドキするぜ」 赤萃香「コレハ届クカ!?」 桃萃香「頑張って黒ちゃ〜ん!」 魔理沙「!?」 魔理沙「ヤバッ…避けないとッ…! う、うわあっ!?」 黒萃香「ふぃ〜、到着っと…」 青萃香「おお、やるじゃネーカ!」 桃萃香「ステキですわ♪」 赤萃香「オ見事ダネ」 黄萃香「拍手喝采!八面六臂!!」 黒萃香「へっ、お、おめえらに褒められても嬉しくなんかねえんだようってんだ」 青萃香「何だとコラ!人がせっかく褒めてやったのに…」 赤萃香「マアマア。ソレヨリー!何カ見エルー?」 黒萃香「おっと、そうだった。ちょっち待ってくれってんだよう」 魔理沙「あ、危ないじゃないかーーーーっ!!」 黒萃香「うわぁっ!?」 赤萃香「ド、ドウシタノッ!?」 黒萃香「な、なんでえ…敵かと思ったら魔理沙のネエさんじゃねえかよう」 魔理沙「ハッ…そういうお前はちんちくりんの萃香じゃないか!」 桃萃香「そこに居るのは魔理沙さんなんですか!?すみませんが助けて下さーいですわ」 魔理沙「なんだなんだ?お前等も捕まってるのか…」 黒萃香「ってえ事はおめえさんもそうなのかよう?」 魔理沙「ああ、残念だがな。はぁ…ここもハズレか…」 |