![]() にとり「…ここって…まさか」 豆幽々子「そう。でも、彼女は犯人じゃないわよ」 にとり「わかった、引き受けるよ」 ![]() 豆幽々子「ありがとう。それともう一つお願いが…」 にとり「他に何か?」 豆幽々子「“アレ”を少し貸して欲しいのよ。どれでもいいわ」 にとり「???いいけど、これで何をするのさ?」 豆幽々子「私には確信はあっても確証…証拠が無いのよ」 にとり「でもコレは…」 豆幽々子「大丈夫、コレはただの餌よ」 にとり「…わかった。ほい、持ってきな!」 ![]() 豆幽々子「それじゃ私は行くわ、貴方も急いで」 にとり「うん!椛、ちょっとココの留守を頼め…」 ファンファンファンファン ビーッビーッ! 豆幽々子「ギュピィ!?(な、なにこの音!?)」 ![]() 椛「わわわ、にとりん!?何これ!?」 にとり「警報だ!誰かがこの部屋で他の場所と通信しようとしたんだ!」 椛「え?え?」 ![]() にとり「おのれ!私の研究を狙うスパイかっ!?」 椛「ど、どうしよう!?もしかして緊急事態?」 にとり「ふたりとも!そこを動かないで!」 ![]() ガシャン! ピ、ポ、パ、ポチ! 椛「ああ!入り口が塞がった!?」 にとり「ふう、これで一安心」 豆幽々子「ねえ!どういう事なの?説明して!」 にとり「しっ…この二人はまず賊ではない…よねえ。とすれば…やはり侵入者か!?」 ![]() 豆幽々子「侵入者!?まさかさっきの話を盗み聞きされちゃった!?」 にとり「恐らくは…そして仲間と通信をしようとしてココの結界に反応があった、と」 豆幽々子「そんな!」 にとり「安心して、情報は絶対漏らさない。それがここの結界なのさ」 ![]() 豆幽々子「という事は、ソイツを捕まえれば万事解決ね」 にとり「おのれスパイめ!一体何が狙いだ!」 豆幽々子「ハッ、そうか…狙いはこの私…どうやら泳がされていたという事みたいね」 椛「にとりん、アレ…」 ![]() にとり「むっ…何だあの怪しい箱は?」」 椛「私が来たときは無かったような気がするんだけど…何か出てるし…」 豆幽々子「一体何者…?」 ![]() にとり「まあ、誰だっていいさ。おい!お前!!3分間だけ待ってやる、大人しく出て来い!」 ?????「………」 にとり「いーち、にーい、ひゅい!もう我慢できない!3分だ!」 ![]() 椛「待って!にとりん、何かおかしいよ!」 にとり「うっ…わあっ!!」 豆幽々子「危ない!」 ![]() にとり「うー、やーらーれー…てない?」 椛「下がってにとり!コイツ…何てパワーだ!」 にとり「も、椛!」 ![]() メディスン「エラー、エラー、ツウシンセツゾクガカクニンデキマセン」 豆幽々子「メ、メディスン…貴方がここに居るという事は…やはり私の推理は間違ってなかった様ね…」 メディスン「メディスン・デストロイモード。モクゲキシャヲスミヤカニハイジョシマス」 ![]() にとり「コイツ…私達をやっつけてから仲間と連絡を取るつもりだ!」 豆幽々子「まずいわ。私が真犯人の正体に気付いた事を相手に伝えられたら…」 椛「そんな事はさせないぞ!私が相手だ、さあ、かかってこい! ![]() メディスン「………」 椛「むむむ…こないならコッチからいくぞッ!」 にとり「も、椛っ!」 椛「とぉっ!!」 ![]() 椛「一刀両断!はああっ!!」 豆幽々子「真っ二つ!?だ、駄目え!その娘は操られてるだけなのよっ!」 椛「なっ…?」 ![]() にとり「駄目だ、間に合わない!」 メディスン「ガードフカノウ、カイヒゴゲイゲキコウドウニウツリマス、ピー」 椛「おおおっ!」 ![]() バキーン! 椛「………くっ…一瞬の迷いが命取り…か…」 豆幽々子「や…止めてメディスン!むぐぐ…一体どうすれば…?」 ![]() にとり「も、もみじっ!大丈夫!?」 椛「うう…」 にとり「しっかりして!傷は浅いぞ!」 ![]() 椛「あ…はは…ヤラレチャッタ…」 にとり「近接戦闘で椛が負けるなんて…」 椛「にとり…戦っちゃ駄目だ…」 ![]() にとり「バカ言うな!アイツをバラバラのぎったんぎったんにして椛の仇を取ってやんだかんね!」 椛「だめだよ…あの娘は…あの娘の意思で襲ってきてるんじゃないんだよね…」 豆幽々子「そうよ…そして操ってるのは間違いなく私が追っている犯人…」 にとり「そんなの関係ないね!こうなったらこの幻想郷破壊爆弾で…」 メディスンはようすをみている ![]() 椛「それ以上はいけない…」 にとり「は、離して!」 椛「いいから聞いて…私に考えがあるから…」 ![]() にとり「って…まだ立っちゃ駄目だよ!」 椛「だ、大丈夫平気…」 にとり「本当に…でも考えって…?」 椛「何か書くもの貸して…」 ![]() にとり「一体何を…」 椛「私の“目”であの娘を透視するよ」 にとり「そ、そんな事出来るの!?」 椛「いつだったか…にとりが話してた原子と原子の間のスキマを見る事が出来れば…とにかくやってみる!」 ![]() にとり「…見える?…それで…見てどうするの?」 椛「…さっきの手ごたえ…やはり…良し、これなら…トレース開始!」 にとり「な、何描いてるの!?」 ![]() 椛「…ふぅ、出来た…」 にとり「こ、これは…組み立て展開図!?それじゃあの娘は…」 豆幽々子「そう、妖怪人形よ」 椛「操られているならおかしなところがあるんじゃないかな?…にとりなら…きっと分かるよ…」 にとり「むむむ…これは難しいぞ…」 ![]() メディスン「タイショウデータメモリナイニナシ、スキャニングヲジッコウシマス…」 ピピピピ… メディスン「ジッコウチュウ、ジッコウチュウ、ゲイゲキモードニテタイキチュウ…」 メディスンはようすをみている ![]() にとり「うーん、うーん…あっ?これって…」 椛「…何か分かった?」 にとり「見てここ、この部分」 ![]() にとり「ほら、ここの三つだけ本体の何処とも繋がってない…」 豆幽々子「本当…怪しいわね」 にとり「そしこの三つはお互いに接続されている…これは決まりだね!」 ![]() 椛「よし…それじゃ何とかしてアイツの注意を引き付けるからにとりは…」 にとり「だ、駄目だよ!椛はもう無理しちゃいけないって!」 椛「でも他に誰がこの役目を引き受けられるって言うんだい? にとり「それは…そうだけど…」 ![]() 豆幽々子「そうよ!無理しちゃ駄目よ!」 椛「ぎゅーちゃん…でも、このままだとみんなやられちゃうよ」 にとり「…分かった、任せるよ」 ![]() 椛「うん、任せて!」 豆幽々子「…あの子は毒を使うわ。気をつけてね」 椛「大丈夫、私とにとりの二人が組めば怖いものナシだよ」 ![]() にとり「それじゃ椛が時間を稼いでる間に私がこう…」 椛「ふむふむ…」 にとり「…そしてその為に必要な時間は…どう、出来る?」 ![]() 椛「出来る?じゃないよ、“やる!”んだよ!」 にとり「そうだね、それじゃ頼んだよ!」 椛「ようし、がんばるぞ!!」 メディスン「スキャンカンリョウ、ジョウホウヲブンセキシマス」 ![]() 椛「おい!もう一回勝負だ!」 メディスン「タイショウデータカクニン、ショウゴウカンリョウ」 椛「今度はさっきのようにはいかないぞ!」 ![]() メディスン「タイセンデータヨリサンシュツサレタショウリツ…90%!」 椛「私には勝ち目がない、と言いたいんだね」 メディスン「ッテ、スーサンガイッテタ」 ![]() 椛「じゃあ、こうしたらどうかな?」 ポイ! メディスン「タテニツヅイテブキヲモステルトハ…コウサンスルノカ?」 ![]() 椛「まさか。この剣と盾は武器と防具であり、また私のリミッターでもあるんだよ」 メディスン「…イッキニカルクナッタ…?マサカコレホドノジュウリョウヲフリマワシテイタノカ?」 椛「ふふ、これも修行の一環さ。でも驚くのはまだ早いよ…」 ![]() メディスン「ナンダト…」 椛「見せてあげるよ…私の本気って奴をね!」 メディスン「ムッ…ソノカマエハ…!?」 ![]() 椛「ウウウウウゥゥゥ…」 メディスン「スゴイサッキダ…サッキトハマルデベツジンネ…」 椛「(そうだ…忘れていたこの感覚…)」 ![]() 椛「(神経を研ぎ澄ませ!もっと思い出すんだ!)」 メディスン「ケンサクケッカ0ケン…セメコムスキガミツカリマセン…」 椛「(そうだ…あの夏の日の事を…烏の穴での血の滲むような特訓の記憶を呼び覚ませ!)」 ![]() ?「何だこのタイムは!もう一度だ!!!」 椛「はひぃっ!」 ?「椛よ!お前は狼だ!狼になるんだ!!」 椛「はいっ!コーチ!!」 ![]() ?「よし、その意気だ!それじゃ続けていくぞ!」 椛「はいっ!」 椛は走った。椛の頭は、空っぽだ。何一つ考えていない。ただ、訳の分からぬ大きなカリスマに引きずられて走った。 椛「…ひいひい…つ、疲れたぁ…」 ![]() ?「だらしがないぞ!そんな事でどうする!?」 椛「は、はい!スミマセン、コーチ!」 ?「そんな事だからお前はスペルカードの一つも持たない下っ端なのだぞ!」 ![]() 椛「うう…すみません…」 ?「だが安心しろ!私といっしょにとれーにんぐを続ければ…」 ズガーン!(スペル発動音 ?「見よ!このスピード!」 椛「す、スゴイですコーチっ!!」 ![]() 椛「コーチ…私も…私もコーチみたいになれますかッ!?」 ?「当然だ。だがそのためには、もっともっと特訓を積み重ねなければな」 椛「…はい!がんばります!」 ![]() それから特訓の日々は続いた。 雨の日も… ![]() 風の強い日も… 椛「こ、コーチ!無理に嵐をおこさなくても…」 ?「黙って走るのだ!」 ![]() 雪の積る日も… 彼女達に安息の日は無い。 ![]() 撃って撃って走って撃って… 謎(?)のコーチとの特訓は一年にも及んだ… |