霊夢「それにしても…重いわ…ね、っと…」 レミリア「どこだ!?さては玄関の方ね!?」 輝夜「もう、何よ!せっかく暇つぶしの相手をしてもらうと思ったのに…」 ウドンゲ「なーんだ…勝負って、ただゲームで遊びたかっただけだったのですね…」 レミリア「ぎゃぉー!捕まえてたべちゃうぞー!?」 霊夢「あ?レミリア?丁度いいわ、ちょっとこっち来て手伝ってー!」 レミリア「霊夢が私を求めてるッ!?急がねば!」 咲夜「お、おぜうさまがかんぜんにこわれてしまわれた…」 レミリア「そこね!霊夢見ーっけ…」 霊夢「よいしょっと…あ、ちょっとコイツ運ぶの手伝って」 レミリア「な…え?(紫と…だ、抱き合ってるッ!?)」 霊夢「はい、そっち側持って」 レミリア「あ、え?何で…?(どうしてそんな年増なんかと懇ろに…?)」 霊夢「…?ほら、ぼさっとしてないで手伝いなさ…あ、あれ?ちょっと!」 レミリア「ああ…そんなバカな…信じられない…」 咲夜「お!お嬢様!お気を確かに!」 レミリア「…そう、これは夢…きっと悪夢よ…」 咲夜「お嬢様…あれはただ単に…あっ!」 レミリア「さくや…これはゆめよ!私はこんな夢なんて見たくないわ!」 咲夜「…はい、今はお休みください…」 レミリア「目が、ぐすん…覚めたらきっと………ぐぅ…」 咲夜「はぁ…何だかなあ…」 霊夢「まったく…何で私一人で紫の介護なんかするハメに…あっ、居たわね!」 神奈子「ああ、神様仏様願わくば早苗をお救いたまえアーメンラーメンなんまいだー…」 霊夢「うわ!………な、何なのよ一体…」 神奈子「ああ…早苗が…早苗が…」 霊夢「どうかしたの?」 神奈子「うう…わかりません!」 霊夢「わからないじゃわからないわよ?」 神奈子「怖くて覗けないの…お願い!代わりに様子を見て来て頂戴!」 霊夢「はぁ…何のこっちゃ…どれどれ?」 早苗「はぅぅ…せ、先生…そんなにキツくしたら苦しいです…」 永琳「大丈夫。はい、ゆっくり息を吐いてください」 早苗「ふぅぅぅぅ…ンッ……」 永琳「…な、何という事!これは驚きね…」 早苗「せ、センせい…ぁ…んッ…私の…体…どこかおかしいです…か?」 永琳「一般的な数値を超えているわ…どうしてこうなるまで放っておいたの!?」 早苗「そんな…だって気付いたときにはもうこんな風に…はぅン!!」 永琳「はい、それじゃ次ここね」 早苗「せ、先生…そ、そんなところも調べるんですか?」 永琳「当然よ。精密検査が必要だわ」 霊夢「…何だ、ぜんぜん平気そうじゃない…」 霊夢「ちょっと、遊んでないでこっち手伝ってよ。紫が目を覚まさないのよ…」 永琳「何?取り込み中よ」 霊夢「…もう!薬の一つぐらい出してくれたっていいじゃないの!」 永琳「五月蝿いわね、ほらコレでも持って行きなさい」 霊夢「何これ?飲み薬?」 永琳「トランペットのマークの万能薬よ。別に不老不死になったりしないから安心なさい」 霊夢「…何か不安なのよね…まあ私が飲むんじゃないからいいか」 永琳「…それじゃ次は此処を調べるわ」 早苗「先生?それは…?」 永琳「こんなに腫れちゃって…この赤くなってるところの大きさを測るわ。ちょっと痛いかもしれないけど我慢してね」 早苗「は、はひぃ…うンッ…ひゃうんッ!?」 永琳「ふむふむ…大丈夫、これならすぐ良くなるわ…」 早苗「本当ですか!?」 永琳「それじゃ次は…」 早苗「あっ、先生!?そこはダ…ぐうっ……あっああああああッ!!」 神奈子「な、早苗の悲鳴ッ!?あんなに苦しんで…ああ、出来る事なら私が代わってあげたい…」 永琳「あらまあ、思ったより過敏になってるみたいね。それじゃ次はコチラを…」 霊夢「…全く何やってるんだか」 神奈子「あっ!!どどどどどどうだったの!?」 神奈子「早苗!早苗は助かるのッ!?」 霊夢「うわわ、ちょ、ちょっと…落ち着きなさいって…」 神奈子「ハッ!つ、つい取り乱して…それで早苗は!?」 霊夢「ああ、あいつ等はもうダメね。手に負えないわ…きっと死んでも治らないタイプってヤツよ」 神奈子「…も、もう駄目?治らない…?」 霊夢「そうね、何もかも遅すぎたんだわ。手遅れよ、て・お・く・れ!!」 神奈子「え?………ええええええええええええッ!!」 神奈子「手遅れ…早苗が…まさかそんな…」 霊夢「あー?ちょっと、もしもーし?」 神奈子「あんなに可愛い早苗が…昨日まであんなに元気だったのに…」 神奈子「早苗ぇ…ぐすん…そうだ…早苗は何処が悪かったの?」 霊夢「どこって…そりゃあ、まあ頭じゃないの?」 神奈子「あ、頭!?」 霊夢「あれはきっと脳が膿んでるに違いないわ」 神奈子「の、脳が!!」 神奈子「やっぱり!?だから鼻血が出てたのね!!早苗!さなえー!!」 霊夢「…何を慌ててるんだか?」 神奈子「助からないなんて私は信じないわよっ!早苗!早苗っ!」 神奈子「早苗!私よ!お願いだから返事をして!」 永琳「あ、いいところに。とりあえず検査と応急処置は済みましたよ」 神奈子「せ、先生!早苗は?」 永琳「はい、こちらに…」 神奈子「早苗…ッ!!」 早苗「あ、神奈子様!見てください、ぐるぐる巻きにされちゃいました〜」 神奈子「…え?その声…もしかして…さ…なえ?」 早苗「はい!」 神奈子「さ、早苗…その包帯…やはり頭が…脳が…」 早苗「いやあ、まったく先生ったら大げさなんですから〜」 神奈子「ううっ…心配させまいと…何て健気な子…」 神奈子「先生…早苗はあとどれぐらいで…」 永琳「ああ、一晩も寝れば…」 神奈子「あ、明日!?そ、そんな…ああああっ…」 くら〜っ…バタン! 早苗「か、神奈子様!?」 永琳「なっ!?し、しっかりしてください!」 早苗「せ、先生!神奈子様が…神奈子様が!」 永琳「落ち着きなさい!」 早苗「は、はいっ!」 永琳「ふむ…気を失ってるだけみたいね」 早苗「良かった…」 永琳「一応検査してみるから、診察台に寝かせるの手伝って」 早苗「はい!お願いします!」 霊夢「ああもう騒がしいわねえ…もう少し静かに出来ないものかしら…」 霊夢「ほら、紫。薬よ!」 紫「うーん…うーん…」 霊夢「何時までのびてるのよ…」 霊夢「まったく…苦労して運んできたんだからさっさと起きてよね」 紫「うーん…あと五分…」 霊夢「返事なのか寝言なのか…あーあー…こんなにくしゃくしゃにしちゃって…酷い寝相ね…」 レミリア「う、うー…むにゃ?」 咲夜「………ん?(もうお目覚めに?)」 レミリア「…私寝てた?…アレは夢?…な訳ないよね…向き合わなくちゃ…現実と…」 霊夢「はぁ…こんな事なら安請け合いするんじゃなかったわ…ぶつぶつ…」 紫「うーん…うーん…」 レミリア「!!!(霊夢がッ!!紫の布団にッ!!!???)」 レミリア「(ま、まさか…寝込みを襲…夜這いッ!?)」 咲夜「ああ、まどろっこしいわねえ…一気にがばっとやっちゃえば楽なのに」 レミリア「(駄目だ駄目だ逃げちゃだめだ逃げちゃ駄目だ現実を見ないと…ぐすん…)」 黄萃香「鬼哭啾啾、慮外千万」 レミリア「う、五月蝿い!泣いてなんかいないわよ!」 咲夜「お嬢様?お加減はもうよろしいのですか?」 レミリア「よろしくなんかないわよ!あんな…二人でいちゃいちゃしてるとこなんか見せ付けられて!」 咲夜「はぁ…?」 レミリア「霊夢の阿呆!貧乏巫女!もう知らないんだから!ふん!!」 咲夜「お、お嬢様…聞こえますよ…」 レミリア「聞こえる様に言ってるのよ霊夢のウスラトン…もご…」 咲夜「はいはい、これ以上面倒は勘弁願いますよ…」 レミリア「うーっ!むーッ!!」 永琳「ああもう騒がしいわねえ…もう少し静かにし出来ないのかしら…」 ドオオオオオオォォ!! 所変わって、此処は妖怪の山の麓 滝の音に混じって、微かに何か聞こえてきます… パチン!……パチン! にとり「ふむ、ふむ…ふむ……」 パチン! にとり「…ふあっ…ふぅ…」 にとり「ふああ………暇だ…」 どうやら此処は河童の秘密基地の様です にとり「やっぱり相手が居ないと面白くないなー」 にとり「いい加減棋譜を並べるのにも飽きてきたし…」 カラン、コロン… ?「おーい、居るー?」 にとり「おっ!その声は!!」 椛「あっ、居た居た」 にとり「やっぱり!椛だー!」 椛「暇だったから遊びに来たよー」 にとり「ナイスタイミング!私も丁度暇してたんだ!」 椛「あれ?もしかしてやる事なくて寝てた?」 にとり「ううん、コイツをちょっとね。それに、椛が来たから眠気は吹っ飛んだよ」 椛「そっかー」 にとり「それじゃ今日は何して遊ぼっか?将棋は飽きたし…どっか出かける?」 椛「ふっふ〜、実はそう言うだろうと思ってね…」 にとり「お?」 椛「じゃーん!!」 にとり「おおおお!?」 椛「今日はこんなもの持ってきちゃいましたー!」 にとり「うっわー!何それ?何それ!?」 椛「これは“うの”っていうカードゲームだよ」 にとり「へぇ〜!どしたのそれ!?」 椛「知りたい?」 にとり「うん!おせーて!」 椛「実はね、見張りの最中に鬼が面白そうな事をしてたのを見つけたんだ」 にとり「お、鬼が!?」 椛「そう、妖怪と鬼がこれで勝負してたんだよ」 にとり「鬼と妖怪の勝負!?…ゴクリ」 椛「しかも勝負は一日以上も続いたんだよ!」 にとり「な、なんという中毒性ッ…!?」 椛「でしょでしょでしょ?だから里まで行って買ってきちゃった」 にとり「うん!でかしたぞ、もみじん!」 椛「これがなかなか売ってなくてねえ、探しましたよ奥さん」 にとり「だれが人妻やねん!」 にとり「それじゃさっそくやろう!いますぐやろう!」 椛「あ、ちょっとその前に…」 にとり「お?まだ何かあんの?」 椛「ちょっと見てもらいたいもの…?があるんだ」 にとり「なんだろ?」 椛「ほら、出ておいで〜」 豆幽々子「ムギュ!(ふぁ〜あ…良く寝た…着いたのかしら…?)」 にとり「…なんだこりゃあ?」 椛「さあ?にとりは知ってるんじゃないの?」 豆幽々子「ムッギュッギューッ!(やあねえ、私を忘れたっていうの?)」 にとり「…何言ってるのか分からない…で、椛は何で私が知ってると思ったの?」 椛「うーんとね、私が今日此処へ来る途中にね…」 豆幽々子「ギュムムゥ…(何てこと!昨日は確かに此処に居た筈なのに…やっぱり塒へ帰っちゃったのかしら…)」 椛「わっふっふ〜♪今日は良い物買っちゃった〜♪」 |