霊夢「はぁ…分かったわよ。作れば良いんでしょ作れば!」 レミリア「なっ…今何て…?」 霊夢「だからプリンを作り直すって言ってるのよ」 赤萃香「本当ニ!?」 霊夢「見てなさいよ。腕によりをかけて、特製陰陽プリンを作ってあげるからね!」 咲夜「お嬢様、良かったですね」 レミリア「べ、別に喜んでなんかないわよ!食べちゃったんだからコレぐらい当然よ!」 咲夜「何をそんなにムキになって…」 レミリア「あー!うるさい!!ほら、邪魔にならないようにアッチへ行くわよ!」 霊夢「それじゃ出来たら呼ぶから、あんた達も適当にくつろいでてね」 黄萃香「応!」 赤萃香「クンクン…アレ?コノ臭イハ…」 霊夢「ちょっ…突然何よ!乙女の臭いを嗅ぐなんて失礼…」 赤萃香「アッ!分カッタ、コレハ油揚ゲノ臭イダ!」 霊夢「えっ!?あっ、その、ね…ええっと…」 赤萃香「ジーッ…」 霊夢「そうそうさっき向こうでね、キツネうどんをお呼ばれしてきたのよ!」 赤萃香「ヘエ、ソウダッタノカー」 霊夢「皆も食べたかった、って話になると思ったから黙っていたのよ…」 霊夢「いい?この事は皆には内緒にしておいてね。喧嘩になるといけないから…」 赤萃香「ウン、ワカッタヨ」 霊夢「いい子ね。それじゃアッチで遊んでてね〜」 赤萃香「ハーイ」 赤萃香「(アレ?デモソレジャア…ヤッパリ気ニナルナ…)」 さて、それではプリンが出来るまで他の人の様子も見てみましょう おや、こちらのカメラは…九曲署の方で動きがあった様です。 てゐ「ふう…あと一本!」 てゐ「早くしないと気付かれるウサ!」 ガリガリ… てゐ「しっかし、厠の格子が牛蒡で出来ているとは…運がいいのかココの署長がバカなのか…」 チルノ「は、ハークションッ!」 Lティ「おや?風邪ですか…珍しい」 チルノ「ズビビ…誰かが私の噂でもしてるんじゃ…あれ?」 チルノ「留守番ご苦労。ところでこんな所で何をしてるんだ?」 橙「はッ!昨日収監された容疑者がお腹が痛いというので…」 チルノ「そうか…しっかり頼むぞ」 橙「はい!…ところで、その顔はどうしたんですか?」 チルノ「何?私の顔に何か不自然な点でも?」 Lティ「自分で見たほうが早いんじゃないの?」 チルノ「えーっと、鏡は…っと………えええっ!?な、なんじゃこりゃあ!!」 Lティ「ほら、さっきのアレで雪焼けしたのよ」 チルノ「なっ、ちょっと何で教えてくれなかったのさ!?」 Lティ「ああ、ごめんね。ちょっと考え事してたから…」 チルノ「ど、ど、どうしよう!恥ずかしくて表を歩けないじゃない!」 Lティ「あれ?そのひも…」 橙「どうかしましたか?」 Lティ「ピンと張っておかないと意味が無いじゃないですか」 橙「え!あ、すみません…それじゃぐいっと………アッー!」 Lティ「むっ!どうしました?」 橙「ち、千切られてる…」 Lティ「…ッ!大変だ!早く戸を開けて!!」 バンッ!! 橙「い、居ない…」 Lティ「…やられましたね。見てください、あそこから脱走したんでしょう…」 橙「ま、まずい事になってしまった…どうしよう…」 Lティ「とにかく署長に報告を…」 橙「ヤバイ…怒られるよー」 Lティ「大丈夫ですか?一緒に謝ってあげますから…」 霊夢「…これで良し!っと…あとはこれを…」 パラパラ… 霊夢「ふふふ…出来たわ…」 霊夢「みんなー!ほら、準備できたわよー!」 咲夜「お嬢様、完成のようですね」 レミリア「フラン呼んでくるわ!!」 咲夜「それなら私が…ってもう居ない…」 フラン「…お家に帰るの?お姉さま…」 レミリア「いいからいいから、ちょっとこっちに来なさい!」 レミリア「見なさい!フラン!!」 フラン「…あれは?………もしかして!?」 レミリア「さあて、どうかしらね?自分の目で確かめたらどうかしら」 フラン「ねえねえ、私が開けても良いの?良いの?」 レミリア「勿論よ!私が許可するんだから」 咲夜「良かったですね、妹様!」 フラン「ゴクリ…それじゃ、行くわね…」 スゥッ… フラン「わあっ!こ、この輝きはッ…」 黄萃香「天地開闢天孫降臨!」 フラン「何という…なんという存在感なのっ!?」 レミリア「これが…陰陽プリンッ!!大きい…今にも押しつぶされそうだわ」 フラン「お、お姉さま!気を確かに!」 レミリア「大丈夫よ…それよりも問題は味…」 フラン「そうよね!…でも…何て美しい…」 レミリア「ええ、食べるのが勿体無いくらいね…」 フラン「ああっ!このぷるぷる感!…何時までも突っついていたいわ!」 霊夢「いいからさっさと食べなさいって…」 レミリア「それじゃ、せーのでいくわよ!」 フラン「せーのっ…」 いただきますっ!! フラン「はむっ!………!!!」 フラン「う、う、う…!」 レミリア「うー!うー!」 フラン「うーーーまーーーいーーーぞーーー!!」 フラン「なんという…なんという美味しさ…」 レミリア「何よコレ!?こんな…こんなおいしい物が有っても良いって言うの!?」 フラン「ああ…お口の中で幸せが無限に広がっていくわ…」 咲夜「…お二人とも大げさなんだから…んっ!?あら、なかなか美味しいじゃないの!」 黄萃香「美味礼賛!食王将有!!」 咲夜「後でレシピを教えてくださいな」 霊夢「さあさあ、どんどん食べちゃってね!」 赤萃香「霊夢ハ食ベナイノ?」 霊夢「わ、私?私はほら、さっき食べたから…それよりあんたもしっかり食べなさいよ」 フラン「食べないなら私が貰うー!」 ガツガツ、バリバリ、むーしゃむーしゃ… レミリア「ご馳走様」 フラン「ごちそーさまでしたー!」 黄萃香「限界突破、満腹也!」 フラン「ふぁ〜ぁ…お腹一杯になったら眠たくなってきたわ…」 レミリア「そうね…随分と日も昇ってきたことだし…」 小悪魔「………私も…何だか…」 ぐぅ レミリア「う〜…私も少し休むわ…咲夜、後お願いね」 咲夜「はい、畏まりました…ってもう寝てる…」 レミリア「すうすう…」 咲夜「あーあー、またこんなにしちゃって…」 咲夜「毎度の事とはいえお嬢様にも困ったものですね…」 つつーっ… 咲夜「いつもなら着替えてからお休み頂くのですが…今回は仕方がありませんね…」 霊夢「何一人でブツブツ言ってるのよ?」 咲夜「こ、このままではいけませんから…私めが御召し物をお着替えさせて…ぶっ…」 霊夢「ちょっと、平気?鼻血出てるわよ…」 咲夜「それでは…失礼します…ゴクリ……」 霊夢「………」 咲夜「…ウッ!」 咲夜「こ、こんな時に私まで…そういえば昨日から一睡もしていなかっ…た…」 フラ〜ッ… 咲夜「すみま…せん…お嬢…さ………ぐう…」 霊夢「…寝ちゃったの?」 咲夜「ぐう…すー…」 霊夢「フフフ、ゆっくりお休みなさい…その間に私は、っと…」 霊夢「えっと…コレじゃなくて…コレも違う…」 赤萃香「グウグウ」 霊夢「コイツじゃないとすると…やっぱりコイツか…?」 霊夢「…う〜ん、絶対どこかに隠してる筈なんだけど、おッ…こ、このふくらみは!」 すぽん! 霊夢「あ、あった!これこれ!!」 霊夢「全く…手間をかけさせてくれたものね…」 霊夢はレミリアから玉を奪い取った! 霊夢「さて、次はこのカードを目立つところに置いて、と…」 きゅっきゅっきゅっ… 霊夢「ふふふ…完璧ね」 赤萃香「グウグウ…チラリ…(ヤッパリ…霊夢ノ様子ガオカシイゾ…)」 霊夢「目が覚めた時が楽しみ…と言いたい所だけど残念ね…」 赤萃香「グウグウ…(…サッキノカード…ココカラジャ…モウ少シ…)」 霊夢「後は本物の霊夢が帰る前にココを去るだけ…ふふふ…」 赤萃香「グウスーピー…(見エタ!………コ、コノカード、コノマーク…見覚エガアルゾ!!)」 脱ぎ脱ぎ… しゅるるっ… 赤萃香「グウグウ(ムッ…コノ音ハ…)」 偽霊夢「ふう…」 赤萃香「グウグウ…(アッ!コイツハ…霊夢ジャナイ!偽者ダ!!)」 偽霊夢「それじゃ忘れ物は、と…」 赤萃香「(ヤッパリ…怪シイトハ思ッテ食ベル振リダケニシテオイテ正解ダッタ…)」 ゴロン、ゴロン…ササッ… 萃香は卓袱台の下に滑り込んだ! 赤萃香「(良シ!気付カレテナイナ…今コソ鬼ノ宝ヲ取リ戻ス好機…ト行キタイケド…)」 チラッ… 赤萃香「(眠ッテイルミンナヲ人質ニサレタラコマルカラナア…)」 偽霊夢「ふふ…それじゃあさようなら。間抜けな吸血鬼さん達…」 赤萃香「(クッ…逃ガスモンカ!)」 てってってっ…ぴょーん… ピト! 赤萃香「(折角尻尾ヲ掴ンダンダ…コノママ跡ヲツケテイッテヤル!…黄イチャン、行ッテクルネ…)」 豆幽々子「ピキー?(ねえ、紫。まだ着かないの?)」 紫「もうすぐよ、もうすぐ」 豆幽々子「ギュウ(そうなの?ところで紫の仕入れた情報、聞かせて欲しいわ)」 紫「そうね、今のうちに話しておきましょうか」 豆幽々子「ピギ!」 紫「実はね、あの白黒の魔法使いが蒐集してるアイテムの中に例の玉があるらしいのよ…」 豆幽々子「ギュー!(な、何だってー!?…って確かにあの娘なら持っていてもおかしくないわね)」 紫「しかも幸運な事に、昨日から自宅に帰ってきてないらしいのよ」 豆幽々子「ピキ!?(昨日から…そういえばあの後ちゃんと回復したのかしら…?)」 紫「これは千載一遇のチャンス。アイツの居ない間に玉を押さえるのよ!」 豆幽々子「ピギュン!?(居ない間に…ってそれじゃ泥棒じゃないの!?)」 紫「大丈夫よ。泥棒はアイツの方じゃないの、だからほら」 豆幽々子「ピキ?(これは…捜査令状?)」 紫「そ、家宅捜索ってヤツよ。ほら、そうこうしているうちに見えてきた…って、あら?」 紫「誰も居ないはずの家の煙突から煙が…」 豆幽々子「ギュー(もう少し近づいて様子を伺いましょう)」 コソコソ… 紫「…やっぱり…誰か先客が居るみたいね…」 豆幽々子「ピキ!(まさか魔理沙が帰ってきてるとか?)」 紫「分からないわ…ただ、少なく見積もっても中に三人は居るようね…」 豆幽々子「ピギュウ…(…もう少し様子を見てみましょう)」 チルノ「な、何だってぇー、容疑者を逃がしちゃったって!?」 Lティ「ええ、どうもそうみたいなんですよ…」 チルノ「何て事だ!まだ何も聞き出してなかったのに…」 Lティ「まあまあ、あんまり興奮すると…」 チルノ「何さ!知恵熱なんかで融けないわよ!」 Lティ「そう?なら良いんだけど…」 |