小悪魔「まあそうですけど…アテがあるんですか?」 咲夜「アテも何もさっき降ってたのよ」 小悪魔「そうなんですか!?」 ガララ………パタン… 黄萃香「七拾五、七拾六、七拾七…」 豆幽々子「(ど、どうしよう!もうあんまり時間が無いわ…)」 キョロキョロ… 豆幽々子「(この賽銭箱の中…は何も入ってないから隠れ様が無いし…)」 豆幽々子「(ええっと…他に隠れるところ隠れるところ…)」 ヒュゥ〜… 豆幽々子「(あら?この部屋は…)」 覗き込んだ先は台所でした。 豆幽々子「(ハッ!この甘い香りは…)」 フラン「もーいーぃかぁーい!?」 豆幽々子「(ま、まずい…余計な事している暇は無いわ!)」 赤萃香「ヨシ!探シ始メルゾ〜!」 レミリア「フラン、小鬼なんかに遅れを取るんじゃないわよ」 フラン「お姉さまこそ!」 豆幽々子「(どどど、どうしよう!と、とりあえずココに…)」 豆幽々子「(ふぅ…これで一安心…)」 赤萃香「私ハコッチヲ探スカラ黄イチャンハ向コウヲ頼ムネ」 黄萃香「応!」 豆幽々子「(とはいえ、見つかるのも時間の問題…何とかしないと…)」 ギッ…ギシ…ギシ… ガラララ… カツ、カツ、カツ… カツ、カツ、カツ 豆幽々子「(だ、誰か来たッ!?)」 カツ、カツ……… ギィ… ごそごそ… 豆幽々子「(マズイ…見つかった!?)」 パタン… 豆幽々子「(………ふぅ、助かった…のかしら?)」 カツ、カツ…ピタッ ???「フフフ…」 ガチャカチャ、カチャ 豆幽々子「(…一体誰がこんな所で何を?…確かめたいけどもし見つかったら…)」 カチャ… カツ、カツ、カツ ガララ…パタン… ギシ…ギシ… 豆幽々子「(…行ったわね…こ、怖かった…ふぅ、安心したら何だか眠くなっ…て…)」 赤萃香「アッ!ソッチハ居タ?」 黄萃香「否!」 赤萃香「ウ〜ン…ハッ!マサカコノ畳ノ裏トカ!?」 ガッ! 赤萃香「ファイトォー!!」 黄萃香「一発!!」 何ということでしょう! 匠の技で畳の部屋がフローリングに生まれ変わりました! 赤萃香「フウフウ…全部メクッタケド出コナカッタネ…」 黄萃香「寸進尺退、疲労困憊」 ガタガタ… パカ! フラン「けほけほ…天井裏にも見当たらないわ!」 レミリア「むぅ…ヘンなおばけのくせに小癪なヤツね」 赤萃香「コッチノ棟ハコレデ探シツクチタカナ」 フラン「本当、何処に隠れたのかしら!?」 レミリア「ま、まさか本当の意味での神隠しッ…!?」 赤萃香「確カニ此処ハ神社ダケド…」 レミリア「しかしこれだけ探して見つからないとは…」 その時… 小悪魔「あ、あ…アーッ!大変ですー!!」 フラン「今のは…悲鳴?」 レミリア「パチェの使い魔の声ね…」 赤萃香「向コウノ方カラ聞コエタゾ!」 レミリア「どうせお勝手に蟲でも湧いたんでしょうに」 フラン「面白そう!私ちょっと覗いてくる!」 赤萃香「アッ!私モ!!」 バキッ!! レミリア「どれどれ…何があったの?」 黄萃香「大丈夫?」 赤萃香「一体ドウシタノ?」 小悪魔「あ…皆さん。アレを見てください…グスン…」 レミリア「これは…さっきのタライじゃない」 赤萃香「デモ空ッポダヨ?」 レミリア「何言ってるのよ。これからプリン生地を流し込むに決まってるじゃないの」 小悪魔「それが…その…」 レミリア「まさか…」 小悪魔「はい…そのまさかです…」 赤萃香「エーッ!作ッタノニ無クナッチャッタノ!?」 小悪魔「スミマセンッ!お洗濯の間ちょっと目を離した隙に…」 レミリア「何てこと!咲夜は?あの子は何をしていたの?」 くいくいッ… レミリア「…ッ!!フ、フラン!?」 フラン「お姉さま…プリンは?プリンはもう無いの?」 レミリア「あ、あ、あのね、コレには深〜い理由があってね…」 フラン「…私が悪い子だから?そう、そうなのね…」 レミリア「ち、違うわよ!そんな事ないって!!」 フラン「いつもそうやって…いいもん、私みたいな悪い子は地下室に閉じ込められてればいいのよ…」 ガララ… 小悪魔「あ、そこは台所の床下収納庫…」 フラン「るるる〜るるる〜るる〜…」 豆幽々子「グースーピー…」 おやおや、どうやらすっかり眠ってしまったようですね。 ぷく〜っ…パンッ! 豆幽々子「ムギュッ!?」 お、どうやら目が覚めたみたいです。 豆幽々子「(大変…何時の間にか寝てしまってい…何だか外が騒がしいわね…)」 小悪魔「お、お、お嬢様!落ち着いてくださいッ!!」 レミリア「キシャアアアアアアアッ!!」 小悪魔「だ、駄目ですぅ…怒りで我を忘れてますッ…」 豆幽々子「(なっ!何かすっごい怒ってるのは何でなのかしら…!?)」 レミリア「ウビsんbkdんfblkdzvんさんbldslkbmdsmbbか!!!!!」 小悪魔「…こうなったらもう、犯人を生贄に捧げるしかお嬢様の怒りを鎮める方法は…」 ガタガタッ… 赤萃香「アッ!今上ノ棚カラ物音ガ!!」 小悪魔「…ゴクリ…開けてみますね…」 赤萃香「…ウン」 パカ! 豆幽々子「ギュゥッ!!」 ぺちーん 赤萃香「アッ!幽々子見ッケ!」 豆幽々子「ピギ!(み、見つかっちゃった!)」 小悪魔「ええっと…この方がここに居ると言うことはですね…」 豆幽々子「ギュ!?(な、何!?みんなの視線が痛いわ…)」 赤萃香「ココニ有ッタプリン…食べチャッタノ?」 豆幽々子「ギュウ?(プリン?…が無くなったの!?)」 小悪魔「駄目ですよ、一人で全部食べちゃったりしたら」 豆幽々子「ムギュゥッ!(もしかして私…疑われてるッ!?何とかして無実を証明しないと!)」 ずずいっ 赤萃香「ナ、何何?急ニ顔ヲ近ヅケタリシテ?」 豆幽々子「ピギュゥン(さあ、私の目を見なさい!この曇りなき眼を見てもまだ私を疑…)」 レミリア「………きなさい…」 赤萃香「エッ?」 小悪魔「…ッ!!いけません!みなさん下がって!!!」 キィィィン… 豆幽々子「ギュ?」 ZUNッ!! レミリア「…ッ…外したわ…」 赤萃香「ケホケホ…イ、一体何ガ…?」 小悪魔「お、お、お、お嬢さま!どうか落ち着いて下さい!」 豆幽々子「ギュウ!?(ひょっとして私…大ピンチ?)」 レミリア「私は何時だって冷静よ…さあ、そこをどきなさい!」 豆幽々子「ギュウウッ!!(や、やっぱり怒ってらっしゃるわ!)」 レミリア「その腹掻っ捌いて真偽の程を確かめてやるわ!」 赤萃香「駄目ダヨ、アンマリ暴レチャ」 小悪魔「怒ってないよお嬢様!お嬢さまスマイルアゲイン?」 レミリア「ええい!離しなさい!」 豆幽々子「ギュムウ!(い、今のうちに逃げないと!)」 レミリア「あっ!待てッ!」 でーでー ぽっぽー でーでー ぽっぽー… ガサ… 豆幽々子「ギュゥン…(ふう、どうやら追っては来ないみたいね…)」 豆幽々子「(誤解とはいえみんなの信用を失ってしまったわ…これから一体どうしたらいいのかしら…)」 ふと見ると、誰かの使用済みロープが寂しそうにぶら下がっている… 豆幽々子「(………もう…何だか疲れちゃったわ…)」 スルリ… 豆幽々子は締まる部分が無いので地面に落っこちた。 豆幽々子「(そうよね…こんな事では楽になれるはずも無く…はぁ………)」 ちょんちょん 豆幽々子「ギュッ!?」 振り返れば八雲居る 紫「わ!何よその態度は?ちょっと酷いんじゃないの。」 豆幽々子「ムギュウッ!?(ゆ、ゆかりっ!?)」 紫「何よ、人を妖怪か何かが出たような目で見て?…まあいいわ。待たせたわね。」 豆幽々子「ギュゥーンッ!」 ばふんっ! 紫「あらら、一体どうしたのよ?それにその姿」 豆幽々子「ギュ、ギュギュッギュ。ギューギュギュ!」 紫「そう、そうなの?何言ってるのか良く分からないけど随分苦労したのね」 豆幽々子「ピギ!」 紫「でも、もう大丈夫よ。」 豆幽々子「ギュゥ?」 紫「また前みたいに私が協力してあげるからね」 豆幽々子「ピギー!(ゆ、紫…アンタって人は…)」 紫「何泣いてるのよ?私たち友達じゃないの」 勇気百倍、幽々子の瞳の奥に炎が灯る 豆幽々子「ピギュゥ!!(持つべきものは心の友ね!アナタのオカズは私のもの私のオカズは私のものよ!)」 紫「そうそう、やる気になってきたわね。それでこそ冥界探偵西行寺幽々子よ!」 豆幽々子「ギュウッ!!」 紫「よーし、それじゃ行きましょう!」 豆幽々子「ギュ!(ええっ、またそれなの?)」 紫「何か不満でも?手も足も出ないあなたの手となり足となり…」 豆幽々子「ギュウ(足は遠慮しておくわ)」 紫「そう?まあいいわ。」 豆幽々子「ピギュウ(で、何処へ行こうって言うの?)」 紫「それなら任せなさい。実は私の方も残りの球の情報を手に入れてるのよ」 豆幽々子「ピキー!(さっすが紫!頼りになるわねえ)」 紫「(うふふ…素直でいい娘よね、本当)」 咲夜「…こ、これは一体…私の留守の間に何が…」 赤萃香「アッ!帰ッテキタネ…ッテ何背負ッテルノ?」 咲夜「雪の塊よ。さっき積もってたじゃないの」 咲夜「そんな事より…何故神社が半壊してるのよ?」 レミリア「アンタがいけないのよ!」 咲夜「お、お嬢様?どうなさいました?話がさっぱり見えてこないのですが…」 レミリア「見てわかんない?ほら、コレ…」 咲夜「あら?まだ作ってる途中だったのに…もう食べちゃったんですか?」 レミリア「そんな訳ないじゃない!私が小食なことぐらい知ってるでしょう?」 咲夜「それはそうですが…」 霊夢「たっだいま〜、っと」 レミリア「あっ!霊夢〜ちょっと聞いてよ!!」 霊夢「どうしたの?留守中に何か?」 レミリア「それがね…って…ちょっと待て!その口の周りに付いてるのは…」 霊夢「ペロリ…ああ、さっきココにあったプリンよ」 赤萃香「エーッ!!」 霊夢「もう、恥ずかしいわね…こういうことは、もっと遠まわしに教えてよね」 小悪魔「か…勝手に食べちゃったんですか!?」 霊夢「そうよ?私の家に有るものを私が食べて何か問題でも?」 赤萃香「ソノプリンノ事デ揉メテタンダヨ!」 霊夢「そ、そうなの?」 レミリア「そうなの!さあて、この埋め合わせはキッチリしてもらわないとねえ」 霊夢「ちょ、ちょっと…みんな目が怖いわよ…」 |