小悪魔「それじゃあ皆さん、行きましょうか」 黒萃香「………ちょっと待ってくれよう！」 赤萃香「ドウシタノ？」 黒萃香「やっぱりアッシはここでアネさんが戻るのを待ってるよう」 赤萃香「…ソウダネ、何カアッタ時ノ連絡係ガ居ルト便利ダヨネ」 黄萃香「用意周到虎視眈々」 赤萃香「フウ、ソレニシテモ疲レテキタナア…」 小悪魔「神社にはメイド長も居るんですよね？向こうに着いたら美味しいお茶を入れてもらいましょう」 豆幽々子「ピキー！」 黒萃香「さあて、皆も行った事だし…何して待っていようかなあ…」 ？？？「これ、小鬼よ…」 黒萃香「だっ、誰だよう！？」 ？？？「あー、こっちじゃこっち」 黒萃香が振り返ると…諏訪子の帽子が語り掛けてくるではありませんか！ 黒萃香「しゃ、シャッポがしゃべっとるよう…」 帽子「これ、そんなに警戒しなさんな。取って喰やせんぞ」 黒萃香「う、嘘付け！一人になった所を見計らって襲って来たんだな！」 帽子「あーうー…」 黒萃香「この付喪神め！アッシが退治してやるよう！」 帽子「ええ加減にせんかい！私だよ、わ、た、し！」 黒萃香「…よく聞いたらその声は…さっきのケロぼうずじゃねえかよう」 帽子「はあ、こんなんじゃ先が思いやられるなあ」 黒萃香「なぬ？一体どういうことでい？？」 帽子「うむ。実はね、一つ頼みというか君たちに託してみようと思う事があってねえ」 黒萃香「はあ…」 帽子「さあ、もっと近付いて…こっちの目玉をよーく見てごらん」 黒萃香「…あっ！これはッ！！！」 帽子「んふふ〜そう言う事。」 黒萃香「でもまた何でアッシなんかに？」 帽子「一応これでも神様だかんね。人を見る目は有るつもりだよ…人じゃないけど」 黒萃香「おおおっし！この大事なお役目、必ず果たしてみせますぜ！！」 妹紅「…おい、どうしたんだ？」 諏訪子「え、ああ。もう済んだよ。」 妹紅「？？？」 諏訪子「ちょっとね、離れた人と内緒話だよ」 妹紅「それじゃ行きますか、と」 諏訪子「これだけの水量となると、どっか別の所と繋がっちゃってるかもしれないなあ」 妹紅「ならばそのポイントを目指せば良い訳か」 諏訪子「この辺りから潜ってみよう！」 レミリア「…これで良し、っと」 咲夜「後は相手が仕掛けてくるのを待つだけですね」 レミリア「しっ…向こうから話し声が…」 咲夜「お嬢様、お下がり下さい…」 小悪魔「いやー、無事に辿り着けましたね！妹様」 フラン「そうなの？前が見えないから良く分からないんだけど？」 咲夜「あれは小悪魔と…妹様？」 レミリア「えっ？フランがココに？…って何？アノ格好は！」 レミリア「ああ、我が妹はとうとうアホの子になってしまったのか…」 咲夜「お嬢様良く見てください。アレはきっと日傘の代わりです。」 レミリア「んっ！？そう言われればそうね…」 咲夜「それにほら…」 レミリア「アレは小鬼供」 咲夜「きっとヤツ等めが妹様を誑かしたのでしょう」 レミリア「そうよね！私の妹があんなヌケサクであってたまるものか！」 小悪魔「ほら、妹様。お嬢様があそこに！」 フラン「えーっ！どこどこ！？見えないよ！」 レミリア「フラン！コチラよ！」 フラン「こっちってどっちよ！？」 レミリア「こっちよこっち！ほら早く来るのよ！」 咲夜「お嬢様、手を叩いて誘導されては？」 レミリア「そうね！ほらフラ〜ン！」 赤萃香「ヨシ！私達モ手伝ウカ！」 レミリア「鬼さんこちら、手の鳴る方へ！」 赤萃香「鬼サンコチラ、手ノ鳴ル方ヘ！」 レミリア「ちょっと、アンタ達はしなくていいのよ」 赤萃香「フッ、サテハ負ケルノガ怖インダネ！」 レミリア「なっ！フランは絶対こっちに来るわ！」 咲夜「（あーあ、また始まった…）」 咲夜「ほらほら、遊んでないで早くこっちに来てくださいよ」 フラン「むッ、その声は咲夜！さっきはよくも置き去りにしてくれたわね！」 レミリア「なーっ！何で咲夜の所に…く、悔しい…」 咲夜「はいはい、それにしても何でタライ？」 フラン「もう取っても大丈夫？」 咲夜「はい、ただいま…あれ？」 フラン「ど、どうしたのよ？」 咲夜「いえ…それが、何だかくっ付いちゃってるみたいでして…」 赤萃香「アア、多分ソレサッキ使ッタ接着剤のセイダヨ！」 咲夜「何でまたそんなものを…」 赤萃香「船ノ帆ヲ張ルノニ必要ダッタカラ…」 フラン「そういえばさっき頭の上で暴れてくれたわね！」 赤萃香「ゴメンネ、忘レテタンダヨ…」 咲夜「しかし見事にくっ付いてるわね」 赤萃香「因ミニ接着剤ハ、カッパ印ノ澱粉糊ヲ使用シマシタ！」 フラン「そんなのどうでもいいわよ！」 フラン「早く取って〜姉さま！」 レミリア「ま、任せなさい！今考えてるから！」 小悪魔「（帽子を脱げばいいのに…ああ、でも私が言ったらお嬢様の立場が…）」 咲夜「あの…」 レミリア「咲夜は黙ってなさい！気が散る！」 咲夜「はあ…まあ良いのですが…んっ？」 咲夜「何？またアナタなの？」 黄萃香「妙計奇策、自信満々！」 咲夜「いいけど、ちゃんと出来るの？」 黄萃香「応！」 咲夜「失礼します、コイツに何やら策があるようでして…」 フラン「もう何でもいいから早く取ってよー！」 黄萃香「疾風迅雷、電光石火！」 咲夜「…どうも不安なのよね」 フラン「前が見えないのがこんなに不便だって知らなかったわ…」 黄萃香「一発逆転、万事解決！」 フラン「早くしてよー！」 黄萃香「画竜点睛、一筆入魂！」 キュッ、キュッ、キュッ！ レミリア「う………」 フラン「そうか！目が見えなければ目を描けば良かったのね！！」 黄萃香「神工鬼斧、最高傑作完成也！」 咲夜「な、何の解決にもなっていない…」 咲夜「ちゃんとやれとあれほど言ったのに…悪い子にはオシオキが必要ね！」 キュキュキュのキュ！ 黄萃香「六里霧中、如法暗夜…」 咲夜「妹様も！遊んでないで帽子ごとお脱ぎください！」 フラン「あ、そっか。」 レミリア「ところで何でこんなトコまで登ってきたの？」 フラン「そうそう！お姉さまが巫女のぺ…」 咲夜「あーあーあー！お帽子が大変なことに！直ぐにお洗濯しなきゃ！」 レミリア「ちょっと、咲夜…」 フラン「あッ！咲夜！さっきはよくも置いてけぼりにしてくれたわね！」 咲夜「そんな、めっそうも無い…」 レミリア「フラン。咲夜は優秀よ。何があったか知らないけどそうしたのにはきっと理由があったのよ」 フラン「お姉さま？咲夜を庇うのね」 咲夜「何かヤバイ雰囲気になって来たわね…」 咲夜「ああっ、二人が私の事で…なんて罪な女…」 豆幽々子「ピキ？」 咲夜「ってそんな事言ってる場合じゃないわ…何とかしてこの場を治めなければ…」 豆幽々子「キュウ〜？」 咲夜「…プルプル………そうだ！」 咲夜「お二人とも、喧嘩はお止め下さい！」 レミリア「あら？咲夜、私はそんなつもりじゃないわよ。ただ姉としてね…」 フラン「何よ！みんなして私を除け者にしておいて！」 咲夜「そうですか…残念ですね。良い子の皆さんの為にこのタライでジャンボプリンをと思ったのですが…」 レミリア「ジャンボ…」 フラン「プリン！？」 咲夜「大きいけど一個しか作れないから…取り合いになるぐらいなら作るのは止めに…」 レミリア「フラン！」 フラン「お姉さま！」 咲夜「おや、どうかなさいましたか？」 レミリア「あ、あ、あのね、咲夜…その…プ、プ、プ…」 咲夜「はいはい、分かってますよ。ちゃんとお作りしますって」 レミリア「さ、咲夜あ！」 フラン「わあい！プリンよプリン！やったわねお姉さま！」 赤萃香「バンザーイ！バンザーイ！」 豆幽々子「ピキュー！」 レミリア「ちょっ、あんた達は…」 咲夜「大丈夫ですよ、これだけ大きいタライなら余るぐらい作れますって」 レミリア「そ、そう…まあ良いわ。それじゃ早速作るのよ！」 咲夜「了解しました！ちょっと、アナタも手伝ってくれる？」 小悪魔「あ！はいっ！喜んで！」 フラン「プッリンだプッリンだうっれしいな〜！」 レミリア「これこれ、フランや。はしたないわよ」 フラン「だってぇ〜」 赤萃香「ソレジャ、出来ルマデ何シテヨウカナア…」 フラン「ねえねえ、せっかくだから美味しく食べたいじゃない？」 赤萃香「ソウダネ」 フラン「だからね、うんと暴れてお腹を空かせておくってのはどうかしら！」 黄萃香「賛成！」 フラン「よーし！それじゃ何して遊ぼっか？」 レミリア「あー、あのねえ…私は遊びに来てる訳じゃ…」 赤萃香「マアマア、硬イ事言ワナイデ」 フラン「弾幕ごっこはお家でも出来るから…そうだ！鬼ごっこにしましょう！」 赤萃香「オッ！ソレナラ鬼ハ本職ニ任セナサイッ！」 黄萃香「同上！」 フラン「何言ってるのよ！鬼はこの私！」 赤萃香「確カニ吸血鬼ダケド…」 フラン「文句あるの？」 赤萃香「有ルヨ！」 赤萃香「鬼ノ役ハ渡サナイゾ！」 フラン「嫌よ、私も鬼やりたい！」 ポカスカ！ レミリア「ちょっと、そんなの誰だって良いじゃないの…」 フラン「誰でもいいならわたしがやるー！」 赤萃香「アッ！ズルイゾ！！」 レミリア「喧嘩ばかりしてると今度こそ咲夜がプリン作ってくれなくなるわよ！」 ピタ！ フラン「うぅ〜、それは困るわ…」 レミリア「ここは一つ公平にじゃんけんで決めるのが無難ね」 フラン「良いわ！但しお姉さまの能力は無しよ」 レミリア「弄ったりしないって」 赤萃香「ソレジャ勝負ダ！ジャーンケーン…」 5分後… レミリア「…しょッ！」 フラン「あいこで、しょっ！！」 鬼と吸血鬼、超人的な動体視力を持つ者同士の勝負は泥沼の様相を呈していた… 赤萃香「（フッ…甘イッ！）アイコデ…」 フラン「（見えるッ！）しょっ！」 赤萃香「アイコデショッ！」 フラン「あーいこで…しょっ！」 レミリア「ちょ、ちょっとストップ！」 フラン「お姉さま？」 レミリア「このままでは何時まで経っても勝負がつきそうにないわね」 フラン「何よ！言い出しっぺはお姉さまじゃないの！」 レミリア「うッ、それはそうなんだけど…そうだ！」 赤萃香「今度ハ何ヲ思イツイタノ？」 レミリア「みんなで鬼をやるってのはどうかしら？獲物は…あんたに決定ね！」 豆幽々子「ビギュッ！！」 フラン「お姉さま、それじゃあんまりだわ…」 豆幽々子「キュゥ〜ン（はぁと」 フラン「ここは一つ、一瞬で勝負がつかない様にかくれんぼに変更しましょう」 豆幽々子「ギューン！！」 赤萃香「決マリダネ！ソレジャ百数エタラ探シ始メヨウ！」 黄萃香「壱、弐、参、四…」 レミリア「ごーぉ、ろーく、しーち、…」 フラン「はーち、きゅーう、じゅぅーう…」 豆幽々子「ギュウゥゥゥン！」 赤萃香「ニージュサン、ニージュシ…」 小悪魔「ふう…だいたいこんな物でしょうか？」 咲夜「そうね、いいんじゃないの」 小悪魔「上手く出来るといいですね」 咲夜「それじゃちょっと出かけてくるから、その間に妹様の洗濯物お願いね」 小悪魔「はい！あ、でもどちらへ？」 咲夜「ちょとそこまでよ。やっぱりプリンは冷たくないとね！」

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