バキ! ピチューーーーーン!! バタリ… 萃香「あーはっはっはー!どうだー見たか鬼の力!!」 咲夜「あ、あのね、流石にちょーっとそれはやり過ぎだと思うのよ…」 萃香「…なして???」 妹紅「いいい、いいから振り返らずにこっちへ戻っておいで…」 萃香「振り向くな?よ〜振り向くなよ〜♪?ってかい?」 鼻歌交じりに振り返ったその先には… ごろり… 萃香「……!?…お、お、お首が…お取れに…」 萃香「…ハッ!こ、これは…人形ッ…!!!」 妹紅「…なーんだ人形かよう…遠目には分からなかったぞ…」 咲夜「じゃあ何?ここには人形が一つ置いてあっただけで誰も居ないって事?」 萃香「小鬼達が見たのがこれなのかな?もうちょっと他を良く調べてみる?」 妹紅「とは言ってもなあ…何処をどうやって?」 萃香「そいじゃあ@コマンドを使ってみよう!」 妹紅「そーら!お前の力で辺りを調べるんだ!」 みょ〜ん みょ〜ん みょ〜ん… サイギョージ「ぶぶー」 妹紅「何だ?何も見つからないのか…」 咲夜「アンタもコイツもあんまり役に立たないわね…」 萃香「う〜ん…何も無いってのも逆に怪しいんだけどなー」 幽々子は咲夜の事を見つめている… サイギョージ「じーーーーーーーっ…」 咲夜「な、何よ…私は本当の事言っただけでしょう?それとも私の顔に何か付いてるの?」 萃香「わかったぞ!さてはお前偽者だな!」 咲夜「は?」 妹紅「そうか!何処かに隠れてるんじゃなくてこの中の誰かに化けてるって事なんだな!」 咲夜「で、私が疑われてる訳…」 萃香「透視能力で正体を見極めるんだね!」 サイギョージ「!!!!!」 幽々子は透視しすぎたようです… 萃香「おお、どったの?」 咲夜「な、何なのよ…まるで化け物でも見るような目で見ないでよ…」 サイギョージ「じーーっ………ぷっ…」 咲夜「え?」 萃香「おおお?笑った!今度は何が見えたの?」 咲夜「………私は”偽モノ”じゃないわよ…いい? わ か っ た わ ね ?」 妹紅「どうした?何もそんなに怒る事無いだろうって…」 萃香「うーん…それじゃやっぱり何も無いのかな?」 妹紅「…気にはなるけど、まあ無いなら無いでさっさと次行こうよ!」 咲夜「そうしましょうか」 モゾゾ… サイギョージ「!!!!」 サイギョージ「ぶーぶー!!」 どうやら幽々子の籠に何か潜り込んでいるようです… 萃香「何々?どしたの?」 咲夜「また何かしょうもない事でしょう…放っときなさいよ」 萃香「それじゃ行きますかー」 サイギョージ「!!!…ぶぶー!!」 シャンハイ「ツーツーツトツートンツー(こちら上海、対象は移動を始めましたドウゾ)」 アリス「ふふ…上手く潜り込めたようね。それにしてもアレで注意を逸らせるとは…アイツ達単純すぎるわ」 やはりさっきのはアリスの罠だったようです… アリス「ツーツートン、トツートントンツー(了解、そのまま監視を続けなさい)」 萃香「ずいぶん暗くなってきたね」 妹紅「まあ、火時計が消え始めて半日近く経ってるからな…」 咲夜「ちょ、ちょっと待って…」 妹紅「ん?どうした?」 咲夜「さっきも言いかけたんだけど、少し休憩しない?」 妹紅「そうか…よく考えたらお前だけは一応普通の人間だったな」 萃香「だらしないなあ!私はこんなに元気いっぱいなのに!」 咲夜「だから鬼や不死人と一緒にしないでって言ってるのよ…」 妹紅「どうだ、私の肝でも食ってみるか?」 咲夜「い、いやいや…それは遠慮しておきますわ…」 サイギョージ「…じゅるり…ゴックン!」 妹紅「あ、うっ…お、お前は駄目だ…こっちを見るな!」 萃香「よーし、それじゃ次の社で休憩していこうよ」 妹紅「また誰かに襲われるんじゃないか?」 萃香「こんなこともあろうかと、先に偵察部隊を送り込んでおいたのだ!」 妹紅「お?今度はなかなか気が利くじゃないか」 萃香「えへへー…っと、合図が来たよ!」 咲夜「あれは…人文字ね?」 萃香「ツイてるねぇ!誰も居ないってさ!!」 咲夜「ふう…やっと一息つけるわね」 妹紅「全くだ…私も全然平気って訳じゃないからなあ」 萃香「いろいろあったしねぇ」 妹紅「もうすっかり夜だな…」 萃香「むう〜もっと急いだ方が良いのかな?」 咲夜「急ぐことより余計なことをしない努力をしましょうよ…」 妹紅「なあ、それじゃこういうのはどうだろうか?」 萃香「何々?」 妹紅「本殿まで突破すべき社は残り五だよな」 萃香「うんうん」 妹紅「だから次の二つを抜けたら、後は一人が残って皆を先に行かせるというのはどうだろうか?」 咲夜「でも、時間内に一人でも辿り着ければそれだけで万事解決って訳じゃないわよね?」 妹紅「そう、問題はそこだよな…なんせ相手はあの巫女だからな」 萃香「むむむ…」 妹紅「そこで、だ。ちょっと耳貸せ、…にょごにょ…」 咲夜「……な、な、な、なあーーーーーー!ちょっと!それ本気で言ってるの?」 妹紅「私だって出来ればそんな真似はしたくない、が他に手があるか?」 咲夜「…で、でもねえ…」 萃香「???」 萃香「ねえねえ?それってどういう…って、うわっ!!」 妹紅「ほらほら、お前も!それとお前もだ」 サイギョージ「????」 咲夜「うう、何で私がこんな目に…」 妹紅「さっさと済ましてしまった方が恥ずかしくないぞ!」 萃香「わあ、二人の…凄い綺麗…」 妹紅「お、おい、あんまりじろじろ見るなって…」 アリス「ぶっ…な、何をやってるのよ…上海!もっと詳しく!!くっ、映像が欲しいわね…」 咲夜「ちょっ、もう無理!」 妹紅「ふう、まあこんなもんだろう…」 咲夜「全く…これじゃ全然休憩にならないじゃないのよ」 萃香「でも、これで全部準備おっけーだね!」 妹紅「よし、それじゃ行こうか!」 咲夜「そうね、ここまで来たら後はやるしかないわね」 萃香「それじゃここは一つ、気合を入れなおすとしますか!!」 スススッ 妹紅「我等の、勝利の為に!」 萃香「あれえ?何だい、お前さんは?」 上海「!!!!」 上海はついうっかり場の雰囲気に乗ってしまった… 咲夜「何この人形は…どっから出てきたのよ?」」 萃香「さあ?それよりコレ、さっき動いてなかった?」 妹紅「どれどれ…うーん、何の変哲も無い普通の人形にしか見えないんだけどなあ…」 上海は必死に普通の人形の振りをしている! 妹紅「そうだ!これ、子供のおもちゃにピッタリじゃないか?」 サイギョージ「ぶ?」 妹紅「ほらほら〜お人形さんでちゅよ〜♪」 サイギョージ「ぶぶー!」 妹紅「あ、おいおいそれは食べ物じゃないって…」 アリス「嗚呼、何て事…でも耐えるのよ、上海!あのホシを掴むまでは…」 咲夜「ほらほら、そんなので遊ぶのは後でも出来るでしょう?」 妹紅「そうだな…それじゃこいつは籠の中に入れておくよ」 萃香「本当の地獄はこれからだ」 妹紅「だから唐突に不吉なナレーションを入れるなって…」 所変わって博麗神社本殿では… 霊夢「…もうすぐ、もうすぐ玉が私の手に…うふふふふ!」 ???「ねえ、ちょっと!」 霊夢「何?」 レミリア「何?じゃ無いわよ!これからどうするつもりなの?」 霊夢「どうって?何もしないわよ」 レミリア「どうもこういうのは性に合わないわ…」 霊夢「暴れちゃ駄目よ」 霊夢「そう、後はただ待つだけ…」 レミリア「………」 一方、幽々子達は次の社に到着したようです 妹紅「よし!ここからは打ち合わせ通り、全員で一気に畳み掛けるぞ!!」 咲夜「見て!表で誰か待ち構えてるわ」 萃香「真っ向勝負とは感心な事だねえ!」 妹紅「…ッ!!ま、まさか、アイツは…」 ビキビキビキ! けーね「ようやく見つけたぞ!!!」 妹紅「け、慧音…い、いやあ、久しぶりじゃ…」 けーね「今日も会ったはずだよな?無かった事にするのは私の専売特許だぞ!」 妹紅「あ、あう…あれはどう見てもお前が悪者…」 けーね「シャーーラップ!何度も何度も…お前たち!もう絶対に許さないからな!!!」 妹紅「そんなあ…」 萃香「ふっふっふっふ…皆さん、ここは私に任せてくれないかな」 妹紅「ふえっ!?」 萃香「(ま、マズイ…前に折った角を売っぱらっちゃった事がバレる前に何とかしないと!)」 妹紅「で、でもなあ…それじゃ計画が…」 萃香「だーいじょうぶ、直ぐに追いつくさ!それに…」 妹紅「…それに?」 萃香「それに…一度勝った相手には負ける気がしないんでね!」 妹紅「…分かった、そこまで言うなら任せるぞ…」 けーね「ごちゃごちゃ言ってないでさっさとかかって来い!!」 妹紅「二人とも…無茶するんじゃないぞ…」 萃香「それじゃあ、遠慮なく行くよ!!」 萃香「ちょいやーーーーー!!」 けーね「さあ!来い!!!」 萃香の犠牲が皆を救うと信じて… |