咲夜「ねえ、本当に任せてきちゃって良かったのかしら…?」 妹紅「………」 咲夜「ちょっと!聞いてるの?」 妹紅「分かってる…でも今は振り返る時じゃない…先を急ごう…」 咲夜「………」 サイギョージ「ぶ!ぶぶー!!!」 咲夜「何?またさっきの人形が動いてるの?」 黒萃香「呼ばれてないけどっ、じゃっじゃじゃじゃーん!!」 妹紅「あっ!さっきの!!」 赤萃香「全ハ一、一ハ全。私達ガ付イテイル間ハ隊長殿ノ心配ハ無用」 妹紅「そうか、お前たちが一緒に来てくれるんだな」 咲夜「それは良いんだけど、入り込むなら別の所にしてくれないかしら?」 黄萃香「……拒否…最適空間……」 咲夜「角がチクチクする…」 次の社は入り口から何か異様な雰囲気が漂っています… 妹紅「…おかしい」 咲夜「何が?」 妹紅「何がって事は無いんだが…何か色々不自然なんだよな」 咲夜「そう?鳥居に見たこと無い飾りがしてあるからじゃない?」 妹紅「うーん…」 黒萃香「それならアッシ達がちょちょい〜っと調べてきやしょうか?」 妹紅「どの道避けて通れないんだ…先を急ごう!」 チカッ… 赤萃香「…ンッ???何ダロウ?今何カ光ッタヨウナ…」 にとり「よーし、バレてないな。このまま中に追い込んで生け捕りにしてやるぞ、っと!」 赤萃香「…今誰カノ声ガ…」 妹紅「気のせいじゃないか?それより攻め込むぞ!!」 咲夜「あれ?」 妹紅「うおっ!どうしたっ!!敵かっ!?」 咲夜「何かこの戸…」 ぱっ! 咲夜「やっぱり!手を離したのに勝手に開いて行く!!」 黄萃香「…摩訶不思議」 妹紅「しかし例によって中は真っ暗だな…」 咲夜「この月明かりじゃあしょうがないわよ」 ブゥゥゥゥゥン、バチン! 赤萃香「ギャーマブシイ!!」 妹紅「痛ーい!け、毛ー!!」 突然、何かの起動音とともに部屋が明るく照らされました。 黒萃香「おおっと!何だい?この有様は!?」 咲夜「…コレは?玉が並べられている…規則正しく、しかもこんなに沢山…」 妹紅「毛!毛がー!!」 咲夜「分かったから少し落ち着け」 妹紅「すぅ〜…はぁ〜…。ふぅ…。しかし何だこの玉は?」 咲夜「あんまり触らない方が良いんじゃない?」 妹紅「よく見るとみんな微妙に違うみたいだな…」 赤萃香「コレハ!ワタシタチノ探シテイタ玉…ニヨク似テイル…」 黒萃香「うひょー!こいつあーおかしいぜ!」 赤萃香「オオ…コチラカラ見ルト随分フトマシク見エルヨ」 黄萃香「…情報解析実行中」 妹紅「また何か罠の可能性が高いから気をつけて調べるんだぞ」 咲夜「いきなり手に取った貴方が言うか…」 サイギョージ「バリバリッ…ガリガリ!」 妹紅「ああっ!こら!!これは飴玉じゃないんだから食べるな!」 サイギョージ「ぶ?ぶ〜ぶ〜♪」 妹紅「何?甘いって…食べられるのか、これ?」 咲夜「あら?ここから奥に行けるのかし…また勝手に開いた!って…えええええっ!」 咲夜さんは扉の向こうの光景に度肝を抜かれた! 咲夜「ま、また玉が…」 妹紅「どうした?って、うわぁ…こっちにもあるのか…」 黄萃香「大発見、確認要請」 黒萃香「おうおう、見せてみな!」 赤萃香「コレハ二ツノ部屋ノ玉ノ配置図ダネ」 黒萃香「この列とこの列だけ色が付いてるね」 赤萃香「コノ交差スル点ガ怪シイ…」 妹紅「発想は良いと思うけど…」 咲夜「それならもう一つ同じ様な部屋があるはずよね」 妹紅「だな…とは言った物のここで行き止まりみたいだしなあ」 黒萃香「そいじゃあアッチとコッチのどっちかが正解にちげぇねえ!」 妹紅「あちらとこちら…そうか!両方を同時に動かせば…」 黒萃香「よっしゃ!まずはこちらからだ!」 妹紅「って、こらっ!人の話をだな…」 ガタン! 黒萃香「おうおう、なんだい?この出っ張りはよぅ!」 咲夜「しっ、何か聞こえ…」 ヒューーーーーーーーーーン ガッシャーーン!! 妹紅「うぉう!何だこりゃー!?」 赤萃香「大変ダ!檻ノ中ニ閉ジ込メラレタ!!」 妹紅「こらー!誰だか知らんがさっさと出しやがれー!」 咲夜「もう…あんたたちが早まった事をするから…って何見てるの?」 黄萃香「…時限装置…緊急退避要請!」 咲夜「じげん…そうち?何かしら?こんなの見たこと無いわね…」 妹紅「あっ!こっちからもなんか出てきたぞ!」 天井の一部が開き、スピーカーが降りてきました。 声「ふっふっふ…捕えられた気分はどうですか?」 妹紅「何だお前は!?そんな小さな箱に隠れてないで出て来い!」 声「残念だけど、貴方たちはそこでお終いよ!」 妹紅「なにい!?どういうことだっ!」 声「そこの床には時限爆弾が埋め込んであるのよ!そして貴方たちに逃げ場は無い!」 咲夜「(爆弾…爆発する弾幕!?もしそんな事になれば髪の毛がチリチリに…)」 咲夜「駄目ぇー!それだけは絶対駄目ッ!!」 妹紅「お、おい…どうした急に?」 咲夜「早くここからだーしーなーさーいー!!」 妹紅「なあ…お、落ち着けって!凄い顔になってるぞ…」 咲夜「こにょっ…も、もう少し…」 ズボ!!!! 咲夜「良し!抜けた………あれ?」 妹紅「…まさか………引っ掛かったのか?」 咲夜「………」 咲夜「ぬ、抜けない!…どうしよう…」 妹紅「抜けないって…通ったんだからそんな筈はないだろう?」 咲夜「戻れない上に進めもしないのよ…ちょっと手を貸して!」 妹紅「しょうがないな…せーので引っ張るぞ!」 咲夜・妹紅「せーのっ!!」 咲夜「痛たたたたたたたっ!ちょ、ちょっと…駄目ダメェ!!すとーっぷ!!!」 妹紅「うーん…これはちょっと抜けそうにないな…」 咲夜「そ、そんな…」 黒萃香「なんてこったい!!」 にとり「………何だこりゃ?これなら楽勝じゃないか」 別室で監視しているにとりは既に勝った気分でいます。 黄萃香「我名案有!」 妹紅「おおう!何だ名案って?」 黄萃香「劇的拡張工事也」 妹紅「???…えっと、この檻をぶっ壊すって事か?」 黄萃香「応」 妹紅「名案…か?…まあ、どっちにしろその必要はあるもんな。でも道具とかが無いとな…」 黒萃香「なんでえ!そんなのあちきらにまかせなすっておくれえ!」 妹紅「お前たちにも萃める力があるのか?」 赤萃香「勿論!ソレジャ行ッテ来マース!」 妹紅「人力かよ…」 黒萃香「でもよう、道具ってどんなのがいいんだろうかねえ!」 赤萃香「ヤハリ抉ジ開ケルニハばーるの様ナ物ダロウ!」 黒萃香「それよりもやっとこでメイド長を引っこ抜くってのはどうでえ?」 赤萃香「イキナリ目的ガ変ワッテルゾ…」 黒萃香「しっかしよう、見事に何も無えなあ、この建物は」 赤萃香「セメテ棒ノ一本デモ持ッテ帰リタイネ」 ???「…おっと、来た来た…」 幽香?「お花〜お花はいかが〜?」 赤萃香「オヤ?コンナ所デ花売リトハ…」 幽香?「あら?そこのお嬢さんたち、お花は要りませんか?」 黒萃香「てやんでえぇ!お花で檻が壊せるかってんだよう、べらぼうめぇ!」 幽香?「あらそう?珍しいお花も一杯あるのに…残念ね」 赤萃香「ネエ、何デ建物ノ中ナノニ傘ヲサシテルノ?」 幽香?「ギク!いやあ、その………そうね、そうよね。おかしいわよね!」 赤萃香「???」 幽香?「あは、あははは!それじゃこの傘はもう要らないわね…」 黒萃香「おうおう!要らないんだったら私たちにおくれよう!」 幽香?「そうね、それじゃこの傘は貴方たちに差し上げる事にするわ」 黒萃香「やたー!!」 幽香「これは弾幕の雨も防げる程度の強度を誇る傘なのよ。大事に使わないと後が大変よ」 赤萃香「…分カッタ。ソレジャ遠慮ナク頂イテイクヨ!」 幽香?「それじゃあ、頑張ってねー」 赤萃香「マタイツカオ花ヲ買ワセテモラウヨ」 黒萃香「そっれにしても変わった奴も居たもんだねえ」 赤萃香「ソウダネ…(ソウイエバ何ヲ頑張レト言ッタノダロウカ?)」 幽香?「ふう………行ったか…」 ぬぎっ 幽香?「さーて。あとは上手くやりなさいよ…」 黒萃香「おーーい!良い物手に入ったぞー!」 妹紅「おっ、何か見っけて来たみたいだな」 赤萃香「チョウドソコデ親切ナ人ニモラッタンダヨ」 妹紅「ゴクリ…こ、これは…凄い妖気だ…これならこの檻だってあるいは…」 咲夜「何でもいいから早く助けてよぉー」 黒萃香「もう少しの辛抱でえぃ!しっかりしやがれってんだよう!!」 妹紅「それじゃこいつで檻をこじ開けるぞ」 咲夜「ほんのちょっと…ちょっとだけでも広がってくれれば良いのよ!」 ガシッ! ぐぐぐっ 妹紅「うおおおおおおおおおっ!こんにゃろめ〜っ!!」 ギチギチギチ… バッキーン!!! 妹紅「うわあっ!!」 赤萃香「アッー!」 黄萃香「驚愕!」 黒萃香「あっちゃー!ナンテコッタイ!!」 |