ウドンゲ「それじゃあれだ、エサのせいとか?」 レイセン「む…バナナの何がいけないんですか!?」 ウドンゲ「桃の方が良かったと思うんだけど…」 レイセン「でも、桃は高いですから…おこづかい足りなくなっちゃいますよ…」 ウドンゲ「そういう問題じゃないと思うよ…くぁ〜……眠たい…」 レイセン「あ!ほらまた直ぐ居眠りするんだから…」 天子「おのれ…密猟者め!」 衣玖「釣りを始めましたね。アレでむべんべがかかるんでしょうか?」 天子「ロープで縛るんじゃなかったのかッ…!」 衣玖「そこに腹を立ててどうするんですか?」 天子「だって釣り竿なんかじゃ…いや待てよ……アリ…かな?」 衣玖「な、何がアリなんですか…?」 天子「そうだ、カメラカメラ… こうなったら悪事の一部始終を収めてやるわ!」 衣玖「ついでにむべんべも撮れれば一石二鳥ですね」 天子「……あれ?」 衣玖「どうかしまいた?」 天子「何かノイズが…」 天子「…ッ!?」 天子「ぎゃぁーー!!」 衣玖「うわぁっ!?ビックリした!」 天子「お、お、お、お、おば、おばーっ!」 衣玖「お、落ち着いて下さい!静かにしないと気付かれます!」 衣玖「一体どうしたというのですか…?」 天子「お、おばけが…心霊写真になっちゃうよぉ…」 衣玖「え…まさかそんな…ば、馬鹿馬鹿しいですよ!」 天子「ほら、衣玖も見てごらんなさいよ!」 衣玖「む…どれどれ…?」 天子「ね、居るでしょ?」 衣玖「…何もおかしなものは映ってませんよ?」 天子「そ、そんな!?」 衣玖「何かの見間違えじゃ…」 天子「そんな事無いわ!たしかにこの目でしっかり見たのよ!」 衣玖「で、ですが私には何も…」 天子「ハッ!?い、い、い、いく…うし、うし、うしーーっ!」 衣玖「牛?」 天子「ぃぎゃぁぁーーっ!」 衣玖「しーっ!しーずーかーにー!」 ウドンゲ「ビクッ!?今何か言った?」 レイセン「もう、また寝ぼけて…」 天子「衣玖が呪われた…もうだめだ…」 衣玖「一体この人には何が見えてるんだろう…?」 天子「悪霊退散南無阿弥陀仏…」 衣玖「ほら、私なんともないですよ?」 天子「う、嘘だ!」 衣玖「まいったなあ…そんなんじゃむべんべを守れませんよ?」 天子「じゃあ衣玖が一人でやってよ!私はここに隠れてるから…」 衣玖「ええー、そんな無茶な…」 デーデン… ウドンゲ「ふぁぁぁ…ぐぅ…」 レイセン「また…ふぁ〜、私もつられて眠くなってきたじゃないですか…」 デーデン… 衣玖「ほら、いつまでそうしているつもりですか?」 天子「…朝まで。オバケは夜しか活動しないはずだからね…」 衣玖「はぁ…いいですよ、もう。さて、どうしたものか…そうだ!」 衣玖「むべんべに返り討ちに遭えば、やつ等も諦めるはず… しかしむべんべを危険に晒すわけにはいかないし、そもそも正体すら分からないんだから いっその事、私がむべんべのフリをしてやっつければ良いんだわ!」 衣玖「よーし、そうと決まればむべんべが釣れる前に行動しないと… 天子さんはここでしっかり見張っていてください。私は向こうから回りこんで湖から仕掛けます」 天子「そ、そう!?は、はやく帰ってきてね… あ、いや憑かれてるから帰ってこないほうが…ブツブツ…」 衣玖「全く…あの人も困ったものですね… さて…… このあたりで大丈夫かな…?」 衣玖「あーあ、 こんな事になると分かっていたら水着でも持ってくるんだった。 ま、誰も見てないし…良いよね」 衣玖「うひゃぁ、ちべたいぃぃ! 思ったより水が冷たい… これはのんびりとはしてられないわ」 衣玖「さて、そろそろ潜った方が良いかな… すぅっ…ちゃぷんっ! (うん、意外と水の透明度は高い。月明かりだけでも十分前が見える)」 衣玖「(えーっと、密猟者達はどこかな…? …んっ? 何だろう、いっぱい浮いてる…) 衣玖「(うわぁ!? み、湖なのにクラゲがいっぱい… ここを進むのは危ないわね)」 衣玖「(仕方が無いわ。 ちょっと遠回りになるけどこういうときは安全に迂回しましょう。 ギリギリのところを泳げば楽勝ね♪)」 衣玖「ここでポイントなのは、地形をよく見る事ですね。 意外なところが抜けられたりするから慌てず騒がずじっくり観察しましょう。 いっぱい練習してお友達に差をつけよう!」 デーデン… 衣玖「(よしよし、上手く切り抜けたわ。 さて、このまま一気に近づくわよー)」 デーデン… ??「(…!!)」 衣玖「(…あれ?何か魚が急に少なくなったような…)」 ??「(じゅるり…)」 衣玖「(ヘンねえ…このあたりだけ何か違うのかしら? ……んっ? 何か後ろから視線を感じる…)」 デーデンデーデンデレデレデレデレデレレー ??「(いただきまーす)」 衣玖「(う、うわあああああああっ!?)」 衣玖「(こ、こんな大きなヤツがいつのまに…!? と、とにかくヤバイ! 急いで逃げないと食べられ…)」 衣玖「がぼらっ!? (ぎゃーーーーーーー! おしっ、おしりかじられ虫ーっ!)」 ウドンゲ「うつらうつら…」 レイセン「う〜ん、ダメだ〜寝るな〜。寝たら死ぬぞ〜。 ……ぐぅ…ハッ!?ね、寝てないよ!……ぐぅ…」 ウドンゲ「はわゎぁ…ねえ、今日は一旦切り上げない?」 レイセン「…ハッ!?だ、だから寝てないって言ってるじゃない!」 ウドンゲ「ほらほら…ハッ!?み、見て!!何か様子がヘンだよ!」 レイセン「…ハッ!?こ、これはもしかして…!?」 ウドンゲ「あっ!あそこに影が!大きいよ!!」 衣玖「痛だだだだ!!」 レイセン・ウドンゲ「!!!!!!!!!」 ウドンゲ「…見た?」 レイセン「うん…何かちょっと違うけど…」 ウドンゲ「と、とにかく捕獲の準備だ!」 衣玖「(た、たーべーらーれーるー!!)」 ??「(アマクナイ…)」 衣玖「(こにょ!離せ、はーなーせー!だ、ダメだ、水の抵抗で叩いてもビクともしないわ…!)」 天子「あっ!?あ、あれは…ええっと、録音しないと…ウオッホン! み、みなさん!ついに、ついに現れました!むべんべです!! むべんべの正体は人魚だったのです!!」 天子「そして今、悪の密猟者たちが、はぁはぁ、むべんべを、何でしょうね? ああっと!タモです!やはりむべんべを捕らえるつもりです! わ、ワタクシ、恐怖を圧してこの犯行の一部始終をカメラに収めたいと、はぁはぁ、思います…!」 ウドンゲ「段取りは分かったね?」 レイセン「おっけーです!」 ウドンゲ「…良し、行くぞー!」 レイセン「き、来ましたッ!!!」 ウドンゲ「落ち着いて!チャンスは一瞬…慎重に……」 レイセン「…ゴクリ」 衣玖「(こ、こうなったら…後のことなんか考えてられないわ! 出力…全・開… だっちゃ!!!)」 衣玖「(うりゃあああ!)」 ??「シビビビビビビ!」 衣玖「(ぐんにょぅおおおおお!!)」 ウドンゲ「ぎゃーーーーーーーッ!?」 レイセン「!? えっ?ええっ!?」 天子「うっぎゃあああああああ!? めっ、目が!目がぁ! ぬぉぉ…こ、これは癖になるゥゥ…!」 衣玖「(ふぅ…た、助かった……)」 レイセン「…い、一体何が起こったの……?」 ??「きゅ〜〜っ…」 レイセン「そうだ!豊姫さまは…? あっ!あ、アレは…間違いない!姫様だ!! …って、た、大変だーー!!」 |