赤萃香「アーッ!スキマガ開イテイル…ッテ、コノスキマノ向コウハ外ジャナイミタイダ…ガックシ」 ?????「うーっ!むぐーっ!!」 赤萃香「何ダ?デッカイ袋ガ落チテイル…ソウカ、コノスキマカラ落チテ来タンダナ」 ?????「むぐぐーっ!!」 赤萃香「ナ、中ニ誰カ居ルノ!?」 がばっ!! 赤萃香「アッ!コ、コイツハ!!」 ?????「んーっ!」 赤萃香「待ッテテ、今外シテアゲルカラネ…」 一方その頃、所変わってここは閻魔庁のとある一室… 映姫「…であるからして…」 チラリ 映姫「…貴方はもっと善行を積む必要があるわ…」 チラリ 時計に目をやると、丁度三時を告げる鐘が鳴るところの様です。 映姫「おっと、もうこんな時間ですか…つまりアレです。貴方はまだここに来るべきではない!」 映姫がそう告げると、お裁きを受けていた霊はこそこそと退廷して行きました。 映姫「…ふぅ、今日はなかなか忙しいですね」 どうやら閻魔さまにも休憩時間は有るようです。 映姫「まあ、比較的得の高い霊ばかりで楽といえば楽ですが」 映姫「さ〜て、それではお楽しみのオヤツタイムと洒落込みますか、っと」 映姫さまは鼻歌交じりにお茶の用意を始めました 映姫「ふ〜んふんふんふ〜んふんふんふ〜ん♪昨日はとんだ邪魔が入りましたからねえ」 映姫「そういえば、あの薬も誰かがひっくり返して無くなってしまいましたけど…」 コトン、と置かれたお皿の軽い音が一抹の不安を拭い去る。 映姫「まあ、流石にもう必要ないでしょうね、ふふ」 映姫「それにしても…旧地獄へ慰安温泉旅行、私も行きたかったなあ…」 同僚からのお土産は芋羊羹の様です 映姫「全く、出来の悪い部下を持つと苦労が絶えませんね…」 映姫「ふー、ふー。さて、お茶のほうも丁度良い冷め具合ですね。」 ずず、と一啜りの後おもむろに羊羹に手を伸ばす。 映姫「それでは、いただきまー…」 映姫「………」 幽々子「じーーーーーーーーーっ…じゅるり…」 映姫「う……何故貴方がここに…?」 幽々子「美味しい?」 映姫「こ、これはあげませんよ!」 幽々子「ううっ…お腹がへって力が出ない〜…」 映姫「う…確かに嘘は吐いていない様ですが…」 幽々子「ぐぅ…早く甘い物を摂らないと成仏しちゃいそう〜」 映姫「そ、そうですか…(なんという厚かましさ…裁けるなら間違いなく地獄行きですね)」 幽々子「ああ、芋羊羹怖い、怖いわ…」 魔理沙「おい、いつまで余計なことしてやがるんだ!」 幽々子「ああん」 映姫「おや、貴方は…どうしました?珍しい組み合わせですね」 魔理沙「いやあ、ちょっとした手違いというかまあ色々有ってだな…」 映姫「まあ、良いでしょう。今の善行はしっかりカウントしておきますよ」 魔理沙「は?」 幽々子「酷いわね、まるで私が悪者みたいじゃない」 魔理沙「そんなことより、ほら」 映姫「そういえば…今日はどのような御用向きで?」 幽々子「あっ、そうそう。実はね…」 ごそごそ 幽々子「この子の事なんだけど…」 映姫「この方は確か…私がたまに呑みに行く屋台の…」 幽々子「実はこの子、ある事件に巻き込まれていましてね…ニ三確認したいことが有るのよ」 映姫「ああ、そういう事なら」 幽々子「助かるわ」 映姫「私に分かる事でしょうか?」 幽々子「簡単なことよ。行方不明のこの子の安否を確かめたいだけなの」 映姫「…つまり、生きているのか否かという事ですか?」 幽々子「ここ数日の分だけで構わないわ」 映姫「私は担当した覚えはありませんから…あとは非番の時の記録を見てみましょう」 映姫「しかしですねえ…それを調べてどうするつもりですか?」 幽々子「…まあ、結果次第って所かしらね」 魔理沙「何だ、もったいつけるなよ」 幽々子「まあ、ちょっとぐらい待ちなさいよ」 映姫「う〜む…」 幽々子「…どうかしら?」 映姫「どうやら、まだこちら側に来ている様子はありませんね」 魔理沙「て、事はつまり…」 幽々子「そう…彼女はまだどこかで生きているということよ!」 映姫「まあ、そういうことになりますねえ」 魔理沙「じゃ、じゃあヤツは一体何処へ消えちまったって言うんだ?」 幽々子「彼女が襲われたのは玉の所為…しかし消えたのは玉ではなく彼女の方か…」 魔理沙「なあ、犯人は何故玉を置いていったんだぜ?」 幽々子「さあ…でも、わざわざお目当ての物だけ置いていくかしら?」 映姫「つまり、置いて行かざるを得ない状況だった、又は意図した行為ではない、と」 幽々子「妖怪一匹連れ去る余裕があった、という事は玉を置いて行ったのは犯人の誤算…あっ…」 魔理沙「ん?何か気づいたのか??」 幽々子「だとすると次に犯人がとる行動は…そんなまさか…でもそれなら…」 魔理沙「なあ、おいってば…」 幽々子「それにそんなことが出来る、且つ必要がある人物といえば…」 魔理沙「駄〜目だこりゃ、全然聞いてないぜ」 パチュリー「モゴゴ、モゴ!」 魔理沙「おう、そういえば忘れていたぜ」 映姫「貴方は…また戻ってきてしまったのですか…」 パチュリー「…ガクッ」 魔理沙「お、おい!しっかりしろ!!傷は浅いぞ!」 映姫「どれどれ…う〜ん、これは…大変危険な状態ですね。早く帰らないと向こうへ逝って貰う事に…」 魔理沙「何と!そいつは困るぜ」 映姫「まあまあ、落ち着いて。今帰りの船を手配して上げますから…」 魔理沙「おい!良かったな。もう少しの辛抱だぞ」 幽々子「…でも、私に出来るのかしら…」 魔理沙「おーい!いつまで考え込んでるんだ!?置いてっちまうぞー!」 幽々子「ううん…私がやらなくちゃいけない事なのね!」 魔理沙「おい、本当に置いて…」 幽々子「ああもう、聞こえてるわ!さっさと容疑者のところへ行くわよ!」 魔理沙「お、おう…ってか私たちも行くのかよ…」 幽々子「あら、良いじゃない。どうせアッチヘ戻るんでしょう?」 魔理沙「強引なヤツだな…」 映姫「強引なのはいけませんね」 幽々子「あ痛!」 魔理沙「うわぁ、酷ぇ」 映姫「あ、いや。そんな強く叩いてないですよ…」 映姫「それより…どうやら迷いは晴れた様ですね」 幽々子「ええ、おかげさまでね。事件解決の糸口は見つかったわ」 映姫「そうですか、ではコレを持って行きなさい。あとそれから…」 魔理沙「待った!続きはまた今度だ。お前の話は長いからな」 映姫「む…まあ良いでしょう。渡し場に私の部下が居るはずです。さあ、行きなさい」 幽々子「いろいろ助かったわ。」 魔理沙「よいしょ、よいしょ。水分が殆ど無いとはいえ結構しんどいな」 幽々子「そういえばさっきの袋…何が入ってるのかし…あっ!!」 魔理沙「おう、虫でも入ってたか?」 映姫「…ふぅ。休憩時間を半分も使ってしまいましたか…」 冷めたお茶を啜りながらポツリと呟く。 映姫「まあ、丁度いいといえば丁度いい、か。ふふ、私も甘いですね」 ウドンゲ「すっかり遅くなっちゃったね」 てゐ「そういえば私、お腹空いた〜」 ウドンゲ「それじゃまず夕飯にしよっか」 ウドンゲ「ただいま戻りました」 てゐ「ただいまー」 永琳「もう、遅いじゃないの。一体何処で遊んでたのよ?」 ウドンゲ「別に遊んでたわけではありませんが…」 永琳「それよりどうだった?出し物の方は」 ウドンゲ「はい、結果は上々でし…うっ!な、何ですかこの匂いは!?」 永琳「さっすがぁ!鼻が利くわね。じゃーん!これよ、コレ!」 ウドンゲ「またいつもの怪しげな薬…というか食べ物の様にも見えますが…い、色が…」 永琳「どう?美味しそうでしょう?食べたいでしょう?」 ウドンゲ「う…やはり食べ物なんですね…しかしまた何で料理なんか?」 永琳「何で、って…昨日からご飯食べてないから…自分で作っちゃいました!てへ」 てゐ「なんだかとってもご機嫌ですね」 永琳「適当に作ったのに、ほら。天才とは罪深いものよね」 てゐ「ううっ…この匂いはキツイ…」 ウドンゲ「ああっ…しっかり!ほら、師匠も早くそれしまって下さい!」 永琳「えーっ?せっかくだから皆で食べようと思ったのに…」 ウドンゲ「師匠の事だから色々薬とか入ってるんでしょう?」 永琳「もっちろん!そりゃあもうビンビンよ」 ウドンゲ「………とにかく、後で姫に食べてもらってからにしましょう。代わりは私が作りますから」 永琳「そう?残念ねえ…自信作なんだけどなあ…」 ウドンゲ「それより師匠…」 永琳「ん、なあに?」 ウドンゲ「実はちょっと診て貰いたいものがあるのですが」 永琳「あら、何かしら?」 ウドンゲ「こちらです…見覚えがありますよね?」 永琳「あ…まさか、そんな…」 永琳「ねえ、これって…」 ウドンゲ「そうです…メディスンです」 永琳「…動かないわね」 ウドンゲ「元はと言えば、師匠が遊んでいて壊しちゃったんでしょう!」 永琳「あ、いや、その…って、違うわよ!あれはスキマが引っ張るから…」 ウドンゲ「この子、あれから色々あったみたいですよ…可愛そうに…」 永琳「そう…ごめんなさいね」 ウドンゲ「で、その色々あった結果、ただの通りすがりの人形師さんに直して頂いたのですが…」 永琳「何故か目を覚まさない、という事ね?」 ウドンゲ「そうです。師匠なら何か分かるんじゃないかと思って…」 永琳「そういう事なら任せなさい!」 スチャッ 永琳「それじゃまずは触診からね!うふふ…今から体の隅々まで徹底的に調べ上げてあげるわ!」 ウドンゲ「…師匠?何だか手つきが卑猥ですよ」 永琳「そんなこと無いわ!別にあんな事やこんな事の反応を調べようとはこれっぽちもハッ!」 ウドンゲ「天誅!」 永琳「Nooooooooooo!!」 永琳「ノーッ!お、お尻が…あれ?何とも無い」 ウドンゲ「普通にしましょうね、でないと今度はもっとキツイのを…」 永琳「ウドンゲ…目が怖いわ…」 永琳「さあて、それじゃそろそろ真面目にしましょうかね」 ウドンゲ「頼みますよ、本当に…」 永琳「あ、そうそう。私の部屋にこの子の服とか有るから持ってきて頂戴」 てゐ「何で持ってるんですか?」 ウドンゲ「知らないほうが良い事だってあるのよ…いいから行ってきて」 てゐ「へーい」 永琳「う〜ん…ふむふむ…ここかな、っと」 パカッ! ウドンゲ「あっ、開いた!」 永琳「これがメディの中…奥までバッチリ丸見えね」 永琳「ほら、見なさいウドンゲ」 ウドンゲ「ここですか?…何だかここだけ妙にスカスカですね」 永琳「やっぱりね。外見は良く出来ている…けど大事なパーツが足りないのよ!」 ウドンゲ「なるほど…というか前の体にくっつけなおしてあげるだけでは駄目でしょうか?」 永琳「それはどうかしら?乱暴に扱ったりしたから色々ボロボロだったわよ」 ウドンゲ「では足りない部品を移植するのですね。」 永琳「そうね。それじゃ早速手術の準備を…」 スイー スイー 諏訪子「う〜ん、真っ暗で何も見えないやね」 諏訪子「まあ、とにかく流れに逆らって進んでいくしかないね」 妹紅「………」 諏訪子「もこさん?ちゃんとついて来てる?」 くるり 妹紅「………ガボッ…」 諏訪子「…ありゃまあ。溺れてるじゃないか…」 妹紅「(い、息が続かん…)ガクッ…」 諏訪子「あ、死んだ」 諏訪子「まったくしょうがないなあ、泳げないならついて来なきゃ良いのに…」 妹紅「(そういう訳じゃないんだが…)」 諏訪子「はあぁ〜、神様は辛いなァ〜っと」 |