黒萃香「お酒が欲しいのかよう?」 豆幽々子「ピギュー!」 黄萃香「失念!最終手段!」 赤萃香「ソウイエバ!私タチニハマダ願イノ叶ウ玉ガノコッテイタンダッケ!」 黒萃香「メディスンを助けるのに玉を使って良いって言うのかよう?」 豆幽々子「ピキー!」 赤萃香「ソノ為ニハマズ残リノ玉ヲ集メナイトネ!」 咲夜「…アイツ等!ちょっと!待ちなさ…」 レミリア「咲夜、良いのよ…」 咲夜「お嬢様?何故止められるのですか?」 レミリア「アイツ等が玉を揃えられる日は来ない…なぜなら…」 咲夜「あっ!それはっ!!」 レミリア「しーっ…声が大きいわよ」 咲夜「すみません…しかし一体何処でソレを?」 レミリア「あら、さっきも言ったじゃない、“計算ずく”だってね」 咲夜「で、では…あの探偵が追っている事件の黒幕って言うのは…」 レミリア「それは違うわよ、咲夜。誰だか知らないけど他にコレを集めているヤツが居…」 妹紅「たっ!大変だーーーーー!」 レミリア「キャー!」 咲夜「なっ、何よ!急に大声出したりしてっ!?」 レミリア「び、ビックリした…」 妹紅「た…玉が…玉が無いんだ!」 赤萃香「神社ニ来ル前ニ手ニ入レタ玉ガ無インダ…」 妹紅「確かアレは…ハッ!コイツの赤ちゃん籠に入ってた気が…」 豆幽々子「キュゥ〜」 妹紅「術で召喚した時どっかへ籠ごと落っことしてきたのかも…」 咲夜「どっかってどこよ?」 赤萃香「ハッキリシナインダケド…幽々子ト合流シタノハコレマデノ社ノ何処カダト思ウ…」 妹紅「分かった!急いで探してくるっ!お前たちは此処で待ってろ!」 優曇華「あのぉ〜チョットいいですか?」 赤萃香「アッ、サッキノ人…何デココ二?」 優曇華「もうそろそろ帰ろうと思いまして、お給金を頂きに来たんですけど…」 赤萃香「霊夢ハ今取リ込ミ中ナンダ…後二シテ…」 優曇華「先ほどのお話に出てきたメディスンですけど…少し見せて頂けませんか?」 赤萃香「助ケテクレルノ!?」 優曇華「なんとも言えませんが時間稼ぎぐらいなら…」 赤萃香「ホント!ソレジャオ願イスルヨ!」 霊夢「…結局今日も玉は見つからなかったわね…」 ズズーッ 赤萃香「アトハ残リノ玉ノ在リ処ダケド…」 黒萃香「全く見等がつかねえんだよう…」 赤萃香「コレハモウ使ウワケニハイケナイシ…」 黒萃香「本体と合流出来れば簡単に萃められそうなのによう」 黒萃香「素直にアネさんが戻るのを待つしかねえか…」 赤萃香「仕方ナイヨ…」 黒萃香「…ところで、さっきから気になってたんだけど…何でえ?あの鳥居の落書きはよう?」 霊夢「ああそれ?それは新しい神社の分社よ」 赤萃香「神棚グライ作ッテアゲヨウヨ…」 霊夢「良いのよ、あいつ等にはこれで充分。拝めりゃ何でもいいのよ」 赤萃香「アッ!オ供エ物…」 霊夢「だから良いって言ってるじゃない、モグ…けっこういけるわね」 咲夜「いつかバチが当たるわね…」 霊夢「大丈夫だって、だいいちウチの神社のお供え物を私が食べたって…ンガンッグ!」 黒萃香「やあい!そらみろさっそくバチが当たったんだよう!」 霊夢「…お、お茶をッ!」 ???「…今だっ」 おや?みんなの注意がそれた瞬間、誰かが忍び込んできたようですよ… レミリア「さっ!咲夜!!直ぐにおおお、お茶を入れなさい!!」 咲夜「はいはい…」 黒萃香「全く…玉が無えと全然駄目なんだなあ…」 赤萃香「玉ハ関係無イト思ウンダケド?」 ジ、ジ…ビイィィーーーーッ 黒萃香「あっ!落書きから火花がっ…」 バチバチバチバチバチッ… 黒萃香「向こう??いや…中から焼き切ってるのかよう!?」 赤萃香「一体中二誰ガ居ルンダロウ…?」 コンコン…バンッ! 黒萃香「ゴクリ…だ、誰か出てくるよう…」 ペタン、ペタン 諏訪子「やあやあ皆の者、元気にしておるかなー?」 霊夢「…ふう、落ち着いた…あら?こっちの神様とは珍しいわね…」 黒萃香「なんでえ…蛙じゃねえかよう…やれやれ」 諏訪子「ええっ!何その反応…神様だよ!」 赤萃香「マタ今度暇ナトキニ遊ンデアゲルカラネ」 諏訪子「な、何かみんなが冷たい…」 黒萃香「やっぱり遊んで欲しいのかよう?」 諏訪子「ち、がーう!…違うもん…」 赤萃香「ホラ、オ供エ物デモ食ベテ元気出シテ」 諏訪子「…うんっ!」 豆幽々子「じーっ…」 諏訪子「ハッ!な、何よ!?これは私んのだからね!」 豆幽々子「ピキー…」 諏訪子「あーうー…こっち見ないでよ」 霊夢「…で、今日は何の用?」 諏訪子「何?って…やっぱりここの巫女は駄目駄目だあね」 霊夢「…喧嘩売りに来たの?生憎とそんな気分じゃないわよ」 諏訪子「まったく…気が付かない?この異常事態に…」 霊夢「…何かあったの?」 諏訪子「なんと暢気な…あのね、ウチの神奈子がね異変の予兆を捉えたんだよ」 霊夢「そうなの?」 諏訪子「そうなの!で、どうもその予測点がここら辺らしいんだけど、神奈子はね…」 神奈子「あら?あちらの神社の近くじゃない。それじゃ放って置いても大丈夫ね」 諏訪子「なんて言うんだよ!」 霊夢「それはけしからん話ね。」 黒萃香「信頼されているとかそういう考え方は無えのかよう…」 諏訪子「そんな訳で今回は特別に私自らが解決に乗り出したんだよ!」 霊夢「何?上手いことやって信仰を集めようって魂胆?」 諏訪子「そう、コレはチャンスなんだよ!皆が私を崇める日が再びやってくるのよ!」 赤萃香「随分正直ナ神様ダナア…」 黒萃香「でもよう、一体何が起こるって言うんだよう?」 赤萃香「ヒョットシテ、サッキノ“アレ”ノ事ジャナイ?」 黒萃香「確かに異変だけどよう…」 諏訪子「何?コレがその異変の原因だって言うの?」 赤萃香「違ウカナア?」 諏訪子「こんなへんちくりんなヤツに何が出来るって言うのさ?」 豆幽々子「ギュギュー!」 赤萃香「ジャア、何ガ起キルカ知ッテルノ?」 諏訪子「ううん、知らない!だから今から調べるんだよ…おやおや?」 黒萃香「どうしたんでえ?」 諏訪子「いやいや、何でコレがこんな所にあるのかな〜ってね」 黒萃香「お!この玉の事何か知ってるのかよう!?」 諏訪子「知ってるも何も、コレは私たちが作ったんだから!」 一同「(な、何だってー!)」 諏訪子「あ、あれ?どうしたのみんな…私なんか変な事言ったかな?」 黒萃香「なあ、今の話本当なのかよう?」 諏訪子「何で?嘘ついて私に何の得があるっていうの?」 黄萃香「大混乱!説明要求」 赤萃香「ジャ、ジャアコノ玉ヲ集メルト願イガ叶ウッテイウノハ…?」 諏訪子「あらら、何でそんな事まで知ってるかなあ」 霊夢「良く話が分からないんだけど、その玉は一体何なのよ?」 諏訪子「よろしい、それじゃあ説明しちゃいましょう!」 レミリア「………」 諏訪子「この玉はね、こちらに越して来る前に良く見てたTV番組からヒントを得て創ったものなのよ。」 黒萃香「てれび?なんでえ、それは??」 霊夢「外の世界の道具か何かでしょう?」 諏訪子「そそ、支持率が下がり続けていた私たちは信仰を取り戻すため試行錯誤の日々だったんだよ。」 諏訪子「それで創ったのがこの集めると願いが叶う玉と言う訳!」 霊夢「まさに神の奇跡を具現化した物ね」 諏訪子「幸い、材料は全部揃っていたんだけど…これがなかなか上手くいかなくてねえ…」 赤萃香「ソウナノ?」 諏訪子「うん…研究と実験の過程で幾つもの失敗を繰り返したわ…」 霊夢「信仰を失うと力も弱まるって言うのは本当の様ね」 諏訪子「途中で卵が孵っちゃったり…研究は困難を極めたんだよ。」 諏訪子「連日、二人の共同作業は深夜にも及んだものよ」 黒萃香「深夜の共同作業…」 諏訪子「…何その目?変な事考えてない?」 黒萃香「全然」 レミリア「…創った経緯はどうでもいいのよ…問題はそこじゃあない…」 咲夜「お、お嬢様!私達も深夜の共同作業を…」 レミリア「何?取り込み中よ、話なら後になさい」 諏訪子「そして苦労に苦労を重ねた結果…かくして八つの玉は完成したのだ!」 黒萃香「重ねたのは肌じゃねえのかよう?」 諏訪子「あっ、この!やっぱり変な事考えてたな!」 黒萃香「全然」 咲夜「えっと…全部で8つと言う事は…あと五つも集めないといけないのね…ぶつぶつ」 黒萃香「ありゃあ?全部で七つじゃなかったのかよう?」 咲夜「えっ?…ちょっと、どっちが本当の話なのよ?」 咲夜「ちょっと貴女?上手い事言って騙そうっての?」 諏訪子「あーうー…そんな物騒なモノしまってよ…」 黒萃香「何でアッシ達の聞いた話と違うのかよう?」 諏訪子「本当はね、七つのつもりだったんだけど…」 神奈子「八の方が縁起が良いじゃない!私の名前にも入ってるしね!」 諏訪子「えー!」 神奈子「それにね、こうしておけば何時か役に立つ日が来るかもしれないよ」 諏訪子「何それ、意味わかんないんだけど」 神奈子「ふふふ」 諏訪子「とか言うもんだから…」 咲夜「うぬぬ、私たちはアイツの手の上で踊らされているっての?」 豆幽々子「(みょんなことから思わぬ情報が入ってくるものね…)」 黒萃香「お!どうしたんでい?難しい顔なんかしちゃってよう?」 豆幽々子「(残る玉は後三つ…一体誰の手に渡っているのやら…)」 黒萃香「…つんつん、っと。駄目だあ完全に固まってらあ…」 霊夢「ところであんた達?」 諏訪子「なあに?」 咲夜「何よ?」 霊夢「さっきから盗み聞きされてるみたいだけど良いのかしら?」 諏訪子「ええーっ!」 レミリア「咲夜!ひっ捕えなさい!」 咲夜「こらー!私の可愛いお嬢様を盗み見している不届き者は何処のどいつだ!」 ぽむぽむ 黒萃香「ダンナもてえへんだなあ」 レミリア「………」 咲夜「むっ、誰も居ない…」 霊夢「おかしいわね、確かに気配を感じたんだけど…」 咲夜「ちょっと、ホントに居たの?隠れるところも無さそうなのに?」 レミリア「霊夢の話に嘘は無いようね…微かながら残留妖力を感じるわ」 霊夢「あんた達に存在を気付かせず、且つこの機動力…」 レミリア「ええ、只者ではないわね…」 咲夜「(玉の話に興味があると言うことは…これは厄介ね)」 霊夢「ところで…」 諏訪子「ん?なあに?」 霊夢「私の陰陽玉知らない?」 諏訪子「う〜ん…あっ!そうだ!」 霊夢「何!?知ってるの?」 諏訪子「もしかしたら神奈子なら何か知ってるかもしれないよ!」 霊夢「本当に!?」 諏訪子「幻想郷に越してきた後、例の玉をどう扱うかそれなりに考えてたみたいなんだけど…」 霊夢「だけど何よ?私が聞いてるのはウチのタマ知りませんか?って事なんだけど?」 諏訪子「話は最後まで聞こう!どうもね、色々な所へ偽装して隠したみたいなんだ!」 霊夢「…つまり何、寝てる間に摩り替えられたっての!?」 諏訪子「ハッキリとは言えないけど、その可能性は充分有るよ」 霊夢「ぐぬぬ、なんでまたそんなはた迷惑な事をするかな…」 諏訪子「さあ?変な奴の手に渡り難くするためじゃないかなあ?」 豆幽々子「(なるほど…それなら夜雀が持っていたことも理にかなうわね…となると問題は…)」 黒萃香「まだ固まってらあ…一体どうしちまったんだよう?」 赤萃香「オ腹ガペコチャンナノカナ?」 霊夢「どんな理由であれ私を謀るとは…許せん!」 諏訪子「わわー。ちょっとー!何処行くんだよー?」 霊夢「アンタん家に討ち入りよ!ちょっと行って来る!!」 諏訪子「ええ〜」 咲夜「お嬢様…やはりお嬢様は最初から霊夢の玉の事を?」 レミリア「そうよ、目星は付けてたんだけど、誰かに出し抜かれた後だったのよ…」 咲夜「それで協力する振りをして…」 レミリア「まあ、盗られた事で確信したんだけどね」 咲夜「霊夢が盗られた玉が偽の陰陽玉…そしてそれこそがお嬢様の求める玉…」 レミリア「さて、これからどうしたものかしらね」 咲夜「霊夢の後を追いますか?」 レミリア「それじゃ目当ての玉は手に入らないわ」 妹紅「…はぁ」 赤萃香「アッ!帰ッテ来タ!」 咲夜「え、もう?…ってそっちの話か」 黒萃香「わあい、アネさんだあ!お帰りなせえ、御勤めご苦労さんだよう!」 赤萃香「タ、玉ハ!?」 妹紅「それがほら…」 黒萃香「あちゃー、見事にすっからかんだよう!」 妹紅「籠は有ったけど中身は既に空だったよ…」 黄萃香「胡散霧散…夢幻泡影」 妹紅「くそう…一体何処の誰の仕業だー!…まったくもう…」 赤萃香「困ッタネ…結局マタ集メナオシカア…」 豆幽々子「キューン…」 ちょいちょい… 諏訪子「ちょいと皆さん、随分とお困りのご様子だねえ!」 |