萃香「ほら、くっつけ!くっつけってばよぅ…」 豆幽々子’s「ピギー!」 萃香「お、おかしいな…こうかな?」 萃香は力任せにくっつけようとしている… 咲夜「ねえ、ちょっと…さっきから何騒いでるの?」 萃香「な、なんでもないよー、あははー…」 萃香「それにしても、なんでこんな事になっちゃったんだろう…?」 豆幽々子「キュッキュー!」 萃香「………」 萃香「うがー!何でまた出てくるんだよー!!」 豆幽々子「ギューーー!」 萃香「あっ!こら、にげるなー!」 萃香「むー…驚かして逃がしてしまうところだったよ…」 豆幽々子「キュ〜…」 萃香「ここは一つ油断させておいて一気に捕まえよう…」 萃香「ほーら、怖くない。どうどうどう…って、あれ?何だか視界がぼやけるような…?」 萃香「うわ!!な、なんじゃこりゃぁ〜!」 豆幽々子達は一直線上にぴったり並んだ! 萃香「…なぁんだ、やっぱり目の錯覚だったのかぁ〜」 萃香「って、そんなわけあるかー!」 萃香が自分ツッコミをしている間にも、豆幽々子の個体数は鰻上りのようです。 萃香「鬼の腕力は伊達じゃない!!」 むぎゅぎゅぎゅー! 萃香「こうなったらブラックホールになるまで萃めて圧縮してやる〜!」 萃香「あれ?何か急に暗くなった気が…って!この影はまさか…」 ザッザッザッザッザッ… 萃香「後ろを見ちゃ駄目って言われてるけど、別の意味でも振り返っちゃ駄目な気がする…」 萃香「と、とにかく落ち着いて状況を把握しないと…一匹が二匹で二匹が四匹で…」 萃香は知恵熱が出てくらくらしている 萃香「助けて!算数の神様ー!」 咲夜「さて、ようやく坂を登りきったわね」 妹紅「それにしても殺風景なとこだな…何も無いけどここからどうするんだ?」 咲夜「ほら、あそこ!光が差し込んでる!」 妹紅「上に出口があるのか…?」 咲夜「ずいぶん高いわね…どうやったら戻れるのかしら?」 妹紅「死ぬのは簡単だけど、逆はそうはいかないということか」 咲夜「だれが上手いことを…って貴方は違うでしょう」 妹紅「あっ!何か光ったぞ」 咲夜「これは…糸!蜘蛛の糸!!」 妹紅「まさに地獄に仏というやつだな。早速登ろう!」 咲夜「登り始めてから気付いたけど、途中で切れたりしないでしょうね…」 妹紅「なあに、大丈夫。ゴールは降りたり登ったりするものだと昔から決まってるんだからな」 咲夜「そういうものなの?」 妹紅「この業界では20年以上前からそういうものだよ」 咲夜「…しょっと、ようやく着い……こ、これは!」 咲夜「私達の本体が大変な事に!」 妹紅「このベタベタするのは…蜘蛛の糸だ…!」 咲夜「ちょっと離れた隙に危うく食べられるところだったみたいね…」 妹紅「全く…こんな糸焼き切ってやる」 咲夜「間違えて私達をヤキニクにしないでよ…」 咲夜「それにしても…巣の主はどこに居るのかしら?」 咲夜「ん?今何かの気配が…」 咲夜「まさかこの殻の中に隠れてる…わけないわよね…」 妹紅「う、うわああ!」 咲夜「な、何っ!?」 咲夜「これはひょっとして乙女のピンチ?」 激しく動揺している咲夜は隙だらけだ! ???「今だ!もらったぜ!!」 咲夜「!!!…しまった!」 咲夜はべとべとネットに絡め取られてしまいました… 咲夜「くっ…凄い粘着力…。全然動けないわ…」 妹紅「ああ…参ったな、お前も捕まってしまったのか…」 ???「ハハハ!またエモノがかかったぜ!!」 咲夜「何者っ!?」 覆面の女「HAHAHAHAHA!!エモノに答えるネセサリーは無い!」 妹紅「こッ…このムシ野郎っ!」 咲夜「ちょっとタイム!」 妹紅「なんだ?やぶから棒に…」 咲夜「こいつがここのボスで蜘蛛だとすると…さっき食べた蟹はまさか…」 妹紅「…げ!ひょっとして私達化かされて…」 覆面の女「お前達、何を勘違いしているんだ…?まあ本物でないのは正解なのだが…」 咲夜「何よ…ハッキリ言ったらどうなの!」 覆面の女「いやあ…予算の都合でカニカマを詰めてあっただけなんだがな」 妹紅「…なあんだ、驚かせやがって…」 咲夜「それはともかく、私達をどうするつもりなの!」 覆面の女「まだお前達は自分の立場が分かってないようだな」 妹紅「くっ…私一人ならこんな糸焼きつくしてやるんだが…」 覆面の女「それより、だ。入ってき時と人数が違うようだが?」 咲夜「さ、さあ?(しまった、振り向いちゃいけなかったからついて来てるか確かめてなかった…)」 一方その頃… 萃香「一つ詰んでは母のため〜…っと、これで全部だといいんだけどなあ…」 萃香は何とか全ての豆幽々子を集め終える事が出来たようです」 しかし今もなお増え続ける豆幽々子で一杯な萃香の手の中では、ある変化が起ころうとしていた… それは、いつ生まれたのか誰も知らない 暗い、音の無い萃香の手の中で、 豆幽々子が圧縮されて出来た小型のブラックホールが分かれて増えて行き、一つの亡霊が生まれた… 彼女はもちろん人間ではない また、動物でもない だが、その体の中には正義の血が隠されているのだ! 萃香「うわ!う、動くぞ、こいつ!!」 豆幽々子だった塊が怪しく鈍い光を放ち始める… 萃香「これは…まさか、クラスチェンジ!?」 おめでとう!! 豆幽々子はサイギョージ001に変化しました!! 萃香「ああああ…な、なんてこったい!赤ちゃん出来ちゃったよ…!」 萃香は子供を生んでしまったと勘違いしているようです。 萃香「どうしよう…私、不良娘にならないよう育てられる自信ないよう…お酒だって飲むし…」 萃香「絶望した!育児能力の限界に絶望した!こうなったら心中するしかない!」 萃香「おお、こんな所にも妖怪桜が…よし、ここに決めた!」 萃香「ああ、駄目なお母さんを許しておくれ…私もすぐ逝くからね!」 どうやら、色々間違っていることに気付けないほどショックだったようです… …ゎあ……あ…おぎゃあ 何と!さっき土を被せた所から泣き声が聞こえてくるではありませんか! 萃香「うおおおぉう!な、なんと言う生命力!」 萃香「これなら私が育てなくても、きっと一人で力強くやっていけるに違いない!」 どうやら萃香は認知しない方向で行くつもりのようです… 萃香「よし、代わりと言っちゃ何だけど名前を付けてあげよう!」 萃香「名前名前…土から生まれた事にはしておくけど、本当は私の娘だから鬼の字は入れたいな」 001「(こらこら!何馬鹿な事言ってるのよ!)」 萃香「……?今誰か何か言った??…まさか、この子が、ねえ…?」 001「(そのまさかよ。まだ歯が生えてないからテレパシーで話しかけてるのよ)」 萃香「さっきから幻聴が…疲れてるんだろうな、わたし。」 001「(まったく、これじゃ埒が明かないわね…よーし、こうなったら…)」 001「(そぉい!)」 萃香「わわわ!体が勝手に…これは一体!?」 どうやらサイギョージ001はいろいろな超能力が使えるようです。 萃香「うわあああぁぁぁあ!だーれーかー止ーめーてー!」 ………ィィィ 覆面の女「ここに居ないとなると、まだ下か…どれ、もう一度糸を垂らしてやると…」 …ィィィイン!! ゴンっ!! 覆面の女「ガッ…ごフッ!!」 顎の砕ける音が響き渡る! |